いばらの王 -King of Thorn-

古城を舞台にした壮大な世界観、ド迫力のアクション、複雑に絡み合う予測不能なストーリー。彼らを待ち受けるのは、切なく、衝撃的な結末！

【ストーリー】
物語の舞台は今より少し先の未来。感染すると半年以内に石化し、死に至らしめる致死率100％の奇病メドゥーサ。世界中で蔓延したこの不治の病の治療法を未来に求めコールドスリープ（CS）の実用化が発表される。そして、世界でたった160人のCS資格者に選ばれた少女カスミは、スコットランドの古城に造られたコールドスリープカプセルセンター（CSCC）で、自分と同じくメドゥーサに感染しながら選考に漏れた双子の姉シズクとの、きっと果たせない再会を夢見ながら、いつまでとも知れぬ眠りについた。しかし、未来を求める眠りは突然中断される。覚醒したカスミの眼前に現れたのは変わり果てた施設の有り様だった。童話「いばら姫」さながらイバラに覆われたセンターの中で、異形のモンスターに襲われて、絶命していく資格者たち。何故モンスターたちが？ あれから何十年、何百年が過ぎたのか？ 外界の状況は？ メドゥーサの治療法は？ 全ての情報が遮断された極限の状況下で、生き残りを賭けたカスミたち7人の脱出が今、はじまる……。

【解説】
2002年10月から2005年10月にかけて、月刊コミックビームにおいて連載された岩原裕二先生によるマンガ「いばらの王」。2008年アメリカ図書館協会推薦グラフィックノベルに選出されるなど、ワールドワイドに評価されている同作を劇場アニメーション化。日本国内での一般公開に先立って本編が初上映されたスペインの「シッチェス・カタロニア国際映画祭」、イギリスの「サイ‐ファイ・ロンドン オクトーバーフェスト」、ハンガリーとオーストリア共催「ブダペスト&ウィーン国際アニメーション映画祭」、イタリアの「フューチャー･フィルム・フェスティバル」、韓国の「チョンジュ国際映画祭」、ベルギーの「ブリュッセル国際ファンタスティック映画祭」など、各地の国際映画祭で上映。「モントリオールファンダジア映画祭2010」では観客アニメ部門で銅賞を受賞した。

劇場アニメーションとしてハイターゲット層や海外への展開を意識し、よりリアリティのある方向にキャラクターがブラッシュアップされている。

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  カスミ・イシキ

  日本国籍の高校生。15歳。内向的な女子高生。世界規模の奇病メデューサに両親を奪われたあと、一卵性双生児の姉シズクと共に肩を寄せ合って暮らしていた。メデューサに感染後、シズクとともに世界で160人だけが選ばれるコールドスリープに応募するが、自分だけが当選。姉を差し置いて生き残ることに引け目を感じている。インジケーターブレスレットの識別コードはKHM050。

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  シズク・イシキ

  日本国籍の高校生。15歳。双子の妹カスミとは反対に、外交的でテキパキした性格。共にメデューサに感染したカスミがコールドスリープ施設入所の権利を得ながら、一人で生き残ることに引け目を感じていることを心配し、遠路、施設まで随行する。迫りくる死を避けられない状況にありながら、常に前向きで優しくカスミを励ます。右足に大きな傷跡がある。

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  マルコ・オーエン

  グレートブリテンおよび北アイルランド連合王国籍で24歳の囚人？全身にタトゥを入れた粗暴で屈強な男。コールドスリープに当選し、刑務所から護送されてきた。妹のローラを失って以来、メデューサを利用しようとする人間たちへの憎悪を燃やす彼は、施設の惨事に乗じて、ある行動を起こしていく……。

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  ロン・ポートマン

  アメリカ合衆国籍の警察官。28歳。背中に銃痕があるコールドスリープ資格者。もとはアメリカ西海岸の有能な警官。強い正義感・責任感と鍛えられた肉体を誇るものの、ここ数年はデスクワークばかりだった。法を守る職に就いていたことから、チンピラのマルコと衝突することもしばしば。

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  キャサリン・ターナー

  オーストラリア連邦国籍の看護士。30歳。施設に向かうバスの中で童話「いばら姫」を読みふけっている女性。落ち着いた雰囲気を漂わせ、自分の息子への想いからか幼いティムを可愛がるが、時折豹変し、ヒステリックな接し方になってしまう。

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  ティモシー・レイゼンバッハ

  ドイツ連邦共和国籍の小学生。8歳。愛称ティム。両親の愛に恵まれずに育つ。弁護士による代行応募でコールドスリープに当選。無邪気だが、ゲーム機を片時も手放さず、人の生死すらゲームのように物事を捉える一面が垣間見える。施設の惨事のあと、キャサリンを自分の母のように慕う。なぜか城内を蠢く奇獣たちの性質を知りつくしている。

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  アレッサンドロ・ペッチノ

  イタリア共和国籍の政治家。59歳。ヴィナスゲイトの大口スポンサーとなることでコールドスリープの権利を金で買い上げた、イタリアの大物上院議員。施設の惨事のあとも尊大で口数が多く、金銭や生きることへの執着が強い。反面、自分の汚職を恥じた弟の自殺に悩まされていた。

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  ピーター・スティーブンス

  アメリカ合衆国籍の技師。33歳。コールドスリープセンターの惨事のあと、カスミたちと共に脱出を図る生き残りの一人。なぜか城の内部構造に精通している他、出会えるはずのない場所でカスミに出会った、と不可解な発言も……。

張り巡らされた謎。驚愕のラストシーンがそこに……。

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  マルコの妹のローラは致死率100％の奇病メデューサに感染したことから、投身自殺する。彼女の死がそれまで各国政府がひた隠しにしてきた奇病「メデューサ」の存在を世間に気づかせた最初の事例となった。

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  ヴィナスゲイトのCEOアイヴァン・コラル・ヴェガは不治の病の治療法を未来に求め、コールドスリープ（CS）の実用化を発表。全世界からメデューサに感染した資格者を募る。但しコールドスリープできるのはわずか160名であった。

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  NSA（国家安全保障局）のウォルターはカルト思想を基にバイオテロを目論む組織としてヴィナスゲイトをマーク。また同社CEOのヴェガがメデューサ研究に従事しても感染していないことから、特効薬を開発し、隠し持っている可能性が高いとみて、コールドスリープカプセルセンターを制圧する米英合同の作戦“スリーピングビューティー”を発動させる。この作戦の先鋒として、とある志願兵をコールドスリープ資格者に偽装させ施設に送り込む。

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  双子でありながら、自分だけがCS資格者に選ばれたことに引け目を感じているカスミを心配した姉のシズクは、スコットランドの古城に造られたコールドスリープカプセルセンターまで随行する。

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  未来を求める眠りは突然中断される。覚醒したカスミの眼前に現れたのは変わり果てた施設の有り様だった。センターは童話「眠り姫」さながらイバラに覆われていた。

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  何故モンスターたちが？ あれから何十年、何百年が過ぎたのかも外界の状況もわからぬ中、現れた異形のモンスターに襲われて、資格者たちは次々と絶命していく。

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  マルコ、ロン、キャサリン、ピーター、ペッチノ、ティム、そしてカスミ。惨劇から何とか生き残った7人は、施設からの脱出を試みる。

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  施設を進む7人に次々とモンスターが襲い掛かる。武器を手に入れ応戦するが真綿で首を絞めるように、１人ずつメンバーの数は減っていく。

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  ピーターがモンスターにやられた後、マルコは自分がイギリス陸軍ＳＡＳ所属マルコ・オーエン少尉 資格者に偽装してコールドスリープセンターに侵入。ピーターの手引きで、情報の確保と外部からの破壊のサポートをするはずだったと明かす。

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  そこに施設を主催する男ヴェガが姿を現す。ヴェガは彼らに奇病メデューサと施設の秘密を語り始める。

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  いつとも知れぬ発症の危機に怯えながら、生き残り、カスミとマルコはついに施設の心臓部へと辿り着いた。彼らの前に現れたのは……。

作品のモチーフのいばら姫の童話。コールドセンターの古城やモンスターなどにはワールドワイドな展開を意識したスタッフのこだわりが詰まっている。

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  いばら姫
  グリム兄弟やペローが採話している有名な童話。日本では「眠れる森の美女」とも呼ばれる。作中にもその要素が加えられている。コールドスリープセンターに向かうバスの中でキャサリン・ターナーはこの本を読んでいる。

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  メデューサ
  正式名称は後天性細胞硬化症候群で、A.C.I.S.とも呼ばれる。数年前から世界的に蔓延し、原因経路不明・致死率100％を誇る奇病として恐れられる。発病まで30～60日という潜伏期間を経て、感染者は12時間のうちに石化の道を辿る。人口の極端な減少に拍車をかけるのみならず、労働力・経済の低迷、犯罪・難民の増加、終末思想の形成など多方面で甚大な被害を及ぼしている。一方で、メデューサはウィルスではなく、人間を新たなステージに押し上げる媒介とする愚説珍説と一笑にふされる仮説も存在する。

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  コールドスリープカプセルセンター
  メデューサの患者が治療法を未来に託して冷凍睡眠につくための最新鋭施設。ヴィナスゲイトが卓越した科学技術、財力、政治力を結集し、スコットランドの古城の中に作り上げた。統括管理制御システム・アリスと連携することで、100年以上その機能を維持することができる。また、アリスは睡眠状態にある患者に自在に夢を見せることもできる。収容される資格者160名は、全世界から公募で選ばれたとされている。施設の起動日は2015年10月13日。その本当の目的は……?

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  ヴィナスゲイト
  コールドスリープカプセルセンターを実用化した、アメリカの大手化学メーカー。長年の間アメリカの政権与党との強力な結びつきがあったが、ヴェガがCEOとなった現在、終末思想を唱えるカルト教団が大株主となり、製品の発表がほとんどない状態が続いている。

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  アリス
  コールドスリープカプセルセンターの統括管理制御システムの名称。城、周辺設備までをも100年以上維持させる機能を持つ。インジケーターブレスレットをつけた人間を保護対象者とみなし、体調、心理状態をモニター。個人記録、生体データ、遺伝子情報までをもバックアップする。また患者の体内に埋め込んだ生体チップと連動して、コールドスリープ中に見る夢さえもコントロールすることが可能。ヴェガがロシア内務省時代に出会った、不思議な少女にちなんで名づけられた。

モンスター
コールドスリープカプセルセンターを徘徊し、人間を襲う異形のモンスター。進化の末の姿か、何者かが人為的に作り出したのかは不明だが、なぜかティムの好きなゲームに出てくるモンスターと特徴が酷似している。メデューサは人間にしか感染しないはずだが、死亡時には石化する。

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  デモンザウルス

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  ソードフィッシュ

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  ヘルワーム

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  デスバット