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- コラム
【第3回】高橋良輔の言っちゃなんだけど
『言っちゃなんだけど……その3』
前回の続きで……肩書の話だったかな。だったら職業は髙橋良輔って、そうじゃなくマジなところで、業界を長く続けてこれたヒケツとかヒミツとかウラワザの話だった。
うーん、ということはやっぱり話はここに戻ってからになるな。
「あんたは何者?」
と聞かれたら、あたしら何と答えたらいいのか。ここが問題だ。教員だとかアニメの演出家だとか言ってもそれじゃあホントの答えにならない。確かにそれぞれの時にそれぞれの収入を当てにしてその名のような立場で生活をしてきたのだが、それって何なんだろうかと考えたことがある。初対面の人に、
「ご職業は?」
と聞かれたら、
「ええ~、今は大学に行ってるんですが、実はアニメーションの監督もやってまして、そのお…まああまり今そっちの方の仕事がないもんですから、学校へ、ええ」
なんてもぞもぞ答えたりしているが、もぞもぞしているというところがそもそも問題で、つまりは本人がどれも“職業”と言い切ることに自信が持てないでいるのだ。ところで職業って何だろう。普通に考えれば『その職でもっぱらに収入を得る』ということだろう。だったら教員でもアニメの監督でもいいのだが…言い換えてみよう。プロか? アマチュアか? 収入を得ているということではプロなんだろうけど、本人の意識はどうもそうではないらしい。たまたま報酬を得ているが、どうもそのことに抵抗とまでは言わないが多少の後ろめたさを感じているらしい、感触がある。感触? なんだか曖昧だなあ、てことはちゃんと考えたことがない。この際ちゃんと考えてみよう。プロフェッショナルとアマチュアの違いってなんだ? どこがどう違うんだ。どうやら前回大見得切ったヒミツもヒケツもウラワザもそこらに答えがある気がする。この問題予想外に長くなりそうなので続きは次回に。