特集
SPECIAL
- コラム
【第8回】高橋良輔の言っちゃなんだけど
『言っちゃなんだけど……その8』
「どうも馴染めない!」
言っちゃなんだが年寄りはいきなりこれだ。文句が多い、一言多い。
ま、それはともかく、何が馴染めないのか? 街じゅう国じゅうに氾濫するキャラクターのベタベタ文化である。やたらめったらあらゆるものにあらゆる場所にキャラクターが張り付いている。これってみんな抵抗ないのだろうか? あたしら何がいやだって言って、公共の乗り物が子供っぽいキャラクターに覆われているのが大っ嫌い! 車には車、飛行機には飛行機、船には船、電車には電車に似合うデザインと塗装があってしかるべきだろう。あたしらだって子供時代があった。今あげた乗り物全てに、
「カッコイイっ!!」
と憧れたものだ。ガキっぽいデザインやカラーリングに憧れたんじゃなく、そのものが持つ本質が現れたデザインや塗装に“らしさ”を感じていたはずだ。らしいものがらしくあること、そしてそれに憧れるって大人になることには必要なんじゃないかと思っている。いやでも誰でも大人にはならざるをえないんだから…まぁ、年寄りにもならざるを得ないけどね。どうも最近あらゆることに境界線が曖昧になってきてしまって、これでいいのかなと思うことが多い。もちろん遊園地にキャラクターや楽しいカラーの乗り物があふれているのはいい。だってそれって非日常だから、特別なんだから、父母に連れられての特別な一日、友達同士というのもありだ、これって人生の必須アミノ酸のようなものなんだから、え、違うか!? まあ無理にでも意を汲んでください。言っちゃなんだが…と言うより反論が多いと思うが、全国に氾濫するゆるキャラというのもあたしらにとってはなんかなあ、中にはカワイイというより不気味なのもあるしぃ。いやこの際はっきり言おう。日本にあふれるこの退行的傾向はあたしらは嫌いだ!