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- コラム
【第10回】高橋良輔の言っちゃなんだけど
『言っちゃなんだけど……その10』
さて、先週に続きドレッシングの話です。ドレッシングの基本は『油・酢・塩』だそうである。買ってきた本のページド頭にこう書いてあった。
「ほい、簡単じゃん!」
てなもんである。で、好みによりスパイスを追加。
「ふん、いいんじゃない!」
好みによりと言うところが押しつけがましくなくてさらに好ましい。ふんふん、鼻歌交じりでページを繰る。次は油の種類、油の種類と…まずは代表的なところでサラダ油ね。サラダ油は大豆油と菜種油のブレンドが多く、サラダ油と言うのは日本特有の呼び方です、か。なるほどなるほど、ジャパンてのは何でもかでも日本流に消化しちまうからなあ。さてさてその他に紅花油、サフラワー油とも言われ悪玉コレステロールを下げると言われるリノール酸を多く含み、健康にいいと言われていたのですが、昨今は善玉コレストロールも下げてしまうので健康に害が……、
「ええ、どっちなの!?」
……最近は品質改良が進みリノール酸の少ないハイクオレットタイプが主流となっており使用に当たっては成分表に注意しましょう、
「ってことなの」
なんだかめんどくさいから紅花油は避けとこう。でその他はと……コーン油、ひまわり油、綿実油、クルミ油、亜麻仁油、ピーナッツオイル、ココナッツオイル、太白ごま油、オリーブ油、などなどか。結構あるのね。で、紅花油のこともあるので試しに植物オイルの効能やら危険やらを片っ端から調べてみたら、アレマ! である。どれもこれも似たり寄ったり、功罪相半ば、挙句の果てに全部が全部取り過ぎに注意しましょう、だってさ。まあ油と言うのは動物性でも植物性でもカロリーは多いからね間違っちゃいないけど、なんだか意欲がそがれるなあ。ちょっと面倒な気分で、ページを先にパラパラっと捲ったら、サラダを美味しくいただくための『野菜の下処理と調理法』なる項目が。不穏な予感で素早く目を通すと、水にさらす、塩水にさらす、塩もみする、下茹でする、焼く、素揚げする、などなどが、
「うわっ、手間かかる!」
手間かかるじゃねえよ、旨いサラダを食うにはドレッシングだろうっててめえで本買ってきて読み始めたんだろうがよ! てな一人ツッコミ入れてみたって後の祭り、言いたかないけど次に控えているこれらの本はどうなるんだろう。
『家で肉をガッツリ!』
『タレタレ&ソース』
『包丁これ一本!』
『けむいが旨い!』
『七味か一味かそれとも胡椒』
これらの顛末はまた次回に。