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2022.09.15

【第53回】高橋良輔監督旅行記「飛行機雲に誘われて」【最終回】

 

飛行機雲に誘われて……その53【最終回】

 なんでも、終わるって淋しいね。
 53回か……意味もなく53って数字が気になるけど何でだろう? その昔アニメのシリーズって、1年4クール52本と言うのが当たり前…の時代があったけど、そんなんじゃないよなあ、年齢の53は何かあるのかなあ、あたしら知らないけど。50才と言うと昔では"知命"と言ったな、つまりいい大人になって、自分の天命を知る年齢ということだけど、今時の50才は天命を知るっていうほど大人じゃないよな。いやあ今となれば50代が懐かしい! あの時代に戻りたい! 今50代なら何んだって出来る、そんな気がする。ハハハ、いつもそんな風に言い訳しながら生きてきた気がするな、小学校の時から期末には、

(今が新学期ならいいのに、ちゃんと勉強するのに)

 なんて思っていたしな。中学の時は中学で、

(今が小学生ならいいのに、始めっからちゃんとやるのに)

 なんて思っていたなあ。気の利いた人なら70才でも80才でも今現在ここからって、やる気満々だものな。
 ところで、最後だからって訳ではないのだけれど京都へ行ってきました。

 四条大橋から川上、つまり三条大橋方面の写真です。花の前の鴨川は少し寂しいな、雲も厚くちょっと肌寒かったからか人影が薄い。この四条大橋の東詰めに歌舞伎の開祖と言われる『出雲の阿国』の像があります。

 大橋を東に川端通の信号を歌舞伎の聖地『南座』を右手に見ながらわたる。三本目の道が花見小路、ここを左に、昔の祇園乙部の方に曲がると、四本目の通りが新門前通りとなる。それを左に曲がって白川を渡り突き当りを右に曲がると、左に小さな町屋を利用した『CAFÉ GALLERYフク和ウチ』というのがある―――何をくだくだ書いてるんだとお思いですね。実はです。実はそこで私の友人の堀口忠彦君が『喜寿のつぶやき……』という個展をやってるという次第。結構ほっこりする絵が並んでおります。
 喜寿のつぶやき…つぶやきって"ツイート"ってことだよね。へえ~これって堀口さんのツイッターなんだぁ。あの世界最強国のアメリカ大統領もやってる"ツイッター"を、

「私はあの手のことはやりません。不器用なんでぇ」

 と嘯いてた彼のこれがツイッターなんだ。ハハハハハそうかあ。ちなみにあたしらもツイッターやっていません。あたしらのツイートはこのコラムだったので、そうだ今度またやる時は『飛行機雲に呟いて…』にするかな。
 この"つぶやき展"結構長く4月8日までやっております。お近くで気が向いたお方はどうぞ覗いてやっていただけますとありがたく存じます。勝手に宣伝でありましたごめんなさい。
 さてその『フク和ウチ』のある新門前通をこんな細い路地を一本四条通の方に戻ると、新橋通に出ます。

 新門前通を新橋通に抜ける路地。いいんでしょうかこんな処を通って。

 写ってはいないが(写してないのかい!)この通りの左には舞子さんや芸妓さんが芸の精進の願掛けをする『辰巳大明神』がある。

 辰巳大明神の前を通って白川の清流に出る。2、3分咲の桜が見える。まさに春は目前だ。

 辰巳橋を南に渡ってほどないところに鯖寿司の老舗『いづう』がある。時分どきなので一杯飲んだ。鯖寿司は大好物なのだが、ここのはずっしりギッシリであたしらには少々食べでがありすぎる。昔はペロリだったのになあ。

×    ×    ×

 京都から帰ったらオリンピックは延期になるわ、行政府の長から外出自粛要請が出るやらで、いよいよ日本でもコロナがのさばりだした。あたしらもテレワークを検討しなければならないかもしれない。どうぞ皆様も十分にお気をつけてお過ごしください。ではまたお会いする日まで、

「さようなら」

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