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2024.12.23

『ヴイナス戦記』劇場版公開35周年記念トークショーが開催されました。

12月14日(土)に中野セントラルパークカンファレンス イベントホールにて、『ヴイナス戦記』劇場版公開35周年記念トークショーが2部構成で行われました。
司会進行はミランダ役の佐々木優子さんがつとめました。


第1部には原作・監督・キャラクターデザインの安彦良和さん、メカニック作画監督の佐野浩敏さん、作画監督補佐の川元利浩さんが登場。
『ヴイナス戦記』のパッケージ販売や上映が封印されていたことについて安彦さんは、「みせたくない、恥ずかしいからというのではなく、この作品が愛おしかったからなのです。35年前に公開して興行成績も芳しくなかったりしたので、そんなに観たくないならみせてあげないと。スタッフに対しては非常に申し訳ないことをしたなと思っています」

安彦さんはこの作品で初めて作画監督を立てることになって、「誰にメカの作画監督をしてもらおうかと、とにかく若い奴にしようとビデオを借りてきて、俺のできないようなアニメーション、元気があって、あ、いいなと思った」佐野さんにメカニック作画監督をお願いしたそうです。
佐野さんはそれまで面識のなかった安彦さんから突然電話がかかって「一度会わないか」と、いわれたそうです。
川元さんは、「安彦さんと仕事がしたい」と、この作品の現場に参加されたそうです。アニメーション業界に入って2か月目くらいに『ネオ・ヒロイック・ファンタジア アリオン』に動画で参加。安彦さんのアニメーションにあこがれてこの業界に飛び込んだ一人として、『機動戦士ガンダムZZ』からのご縁があったでこの作品で作画監督をされている神村幸子さんに誘われ、『風と木の詩』をへて、この作品に参加されたそうです。

 


休憩をはさんで第2部も佐々木さんの司会進行で、安彦さん、ヒロ役の植草克秀さん、スウ役の原えりこさんが登場。

最初に安彦さんからは「何より植草さんに来ていただけるとは思っていなかったので、今日来ていただいて本当に嬉しいです」と一言。
トークが始まり、「つくづく、植草さんにやっていただけて本当に良かったと思っています」と言う安彦さんの言葉をきいた植草さんは「本当に僕で良かったのかと、本番を録ることになって一人のブースで、画面が出て数字がワーと出てくるのも全く初めてだったので、僕ら役者の出しているのと声優さんが出しているのでは音の違いがあるのを感じてショックを受けたのはありました。もっとこうやればとかいうのはありました」
「いやいや素晴らしかった」「ぴったりだった」原さんと佐々木さんは植草さんの演技を絶賛。
スウ役はオーディションだったという原さん「オーストラリアに一人旅に行っていたときに音響監督の千葉耕市さんから、「安彦良和先生が『ヴイナス戦記』と言うすごい映画をやるんだけどちょっと日本に帰ってこないか」と言われて、安彦さんの作品なら帰ってこないわけがないと旅行を途中で切り上げて帰ってきました。受からせていただいたからよかったけど、落ちていたら…」と、当時を振り返りました。
安彦さんも絶大な信頼を置いていた音響監督の千葉さんと同じ事務所だった佐々木さんは「怖ーい声の声優さんで、顔も怖い監督さんでしたが、優しい性格でとてもかかわいがってもらいました。あの声で「優子」と言われるので怖かったですが」などなど、当時の話が飛び出しました。
安彦さんは現在の状況もふまえて、「ヒロと言うキャラクターに今でも共感が持てる。きれいごとを信じないけれど、どうするといったときに仲間がいて一人残れと言われた時に残る。意地と大義があり戦う。」と言う言葉に、植草さんや原さん、佐々木さんも「今の時代だからこそ観てもらいたい作品」「35年前の作品とは思えない」「手描きで凄いです」と口々に言われました。
安彦さんの「こういう映画に出ていただきありがとうございました」のお礼の言葉で第2部は終了。
 

 

佐野さん、川元さんも再び登壇して抽選会が行われました。
そして、最後に安彦さんから植草さんへの色紙のプレゼントがあり盛況のうちにトークショーは終了しました。



「ヴイナス戦記」劇場版公開35周年記念コラボカフェ「ヴイナスカフェ」は2025年2月11日(火・祝)まで、東京・中野のギャラリーカフェオメガ(東京都中野区中野5-52-15ブロードウェイセンター2F)で開催中です。
詳細は特設サイトでご確認ください。

「ヴイナスカフェ
特設サイト:https://www.gcomega.com/?page_id=10647