ガンヘッド

©東宝・サンライズ

作品名

ガンヘッド

作品名
(ひらがな)
がんへっど
Title
(英語表記)
GUNHED
公開日1989年7月22日
話数全1話
主題歌 ED 「Time 〜Song for GUNHED〜」 歌/永井真理子
  • キャスト

    ブルックリン/高嶋政宏
    ニム/ブレンダ・バーキ
    ベベ/円城寺あや
    イレブン/水島かおり
    セブン/原田遊人
    ボンベイ/川平慈英
    ボクサー/斉藤洋介
    ブーメラン/ドール・ヌイン
    バラバ/ジェームズ・B・トンプソン
    バンチョー/ミッキー・カーチス
    ガンヘッドの声/ランディ・レイス
    ナレーション/マイケル・ヤンシー

  • スタッフ

    企画/サンライズ
    脚本/原田眞人
       ジェームズ・バノン
    メカニカルデザイン/河森正治
    音楽/本多俊之
    監督/原田眞人
    製作/田中友幸
       山浦栄二

ストーリー&解説

サンライズが手がけた初の実写特撮映画

【ストーリー】
西暦2025年、巨大コンピューター「カイロン5」が人類に対し反乱、その末に無人島8JOに封印された。そして13年後、貴重な資源を盗んでは売りさばく一団「Bバンガー」の面々がカイロン5のCPUチップを求めて侵入するが、生体ロボットであるバイオドロイドの襲撃で全滅。ただ一人生き残ったブルックリンは、カイロン5が密かに人類抹殺を計画していると知り、8JOで出会った女兵士ニムらとともに巨大な戦闘ロボット「ガンヘッド507」を起動させ、カイロン5の陰謀に挑む。

【解説】
実写特撮映画のノウハウを持つ東宝と、サンライズが提携して製作。実写による巨大ロボット映画は日本初であり、世界的に見ても当時としては非常に珍しいジャンルであった。また、既存の邦画の枠を超えるべく外国人俳優を多数起用、セリフは日本語と英語が飛び交い、6メートルに及ぶ主役メカ、ガンヘッドの実物大プロップが製作されるなど、様々な試みがなされた。

キャラクター

様々な防御装置で敵を排除するカイロン5。生き残ったトレジャーハンターと女性兵士は、長い眠りから醒めた1 機の意志を持つロボットを味方に、悪魔のようなコンピュータが支配する塔の中を最上階めざしてひたすら突き進んでいく。

  • ブルックリン(中央) ニム(左から2人目) セブン(右端) イレブン(左端)

    ブルックリン ニム セブン イレブン

    ブルックリン(中央)
    資源が枯渇した世界で貴重なプラスチックなどを回収するトレジャーハンター。メカに強く、ガンヘッドを再生させる。
    ニム(左から2人目)
    バイオドロイド追撃の任務で8JOにやってきた女性兵士。戦闘能力はブルックリンより高く、生身で塔の最上階をめざした。
    セブン(右端)
    無人のはずの8JOでイレブンと暮らしていた少年。ブルックリンとコンビを組んで、塔の防御装置の破壊に活躍する。
    イレブン(左端)
    セブンとともにカイロン5の意思によって生かされていた少女。カイロン5が活動を再開するためのキーとなっている。

  • ガンヘッド507

    ガンヘッド507

    無人ロボット兵器。過去に小隊を指揮してカイロン5と戦った。ブルックリンに有人搭乗型に改造され名コンビぶりを発揮する。

シーン

最下層に埋もれていたガンヘッド507を甦らせたブルックリンは、マシンと人工の光が支配する空間を突き進む。塔の中に張りめぐらされた数々のトラップ。最上階に待ち受けているのは、カイロン5の最強のガード役、エアロボットだった。

甦るガンヘッド、決死の敵陣突破!

  • トレジャーハンター集団「Bバンガー」では最年少メンバーのブルックリン。元は有人型ガンヘッドのパイロット。埋もれていたガンヘッドの修復は彼の得意とするところだ。

  • 「Bバンガー」のメンバーは全滅したが、ニムやセブンたちが仲間となる。ガンヘッドの修復にはセブンが協力した。

  • 戦車モードに変形して突き進むガンヘッド507。カイロン5のミサイル攻撃に対して、迎撃用ミサイルを発射する。

  • スタンディングモードのガンヘッド。ガンヘッド507は最終決戦にこのモードで臨むことをブルックリンに申し出た。

  • オイル運河の天井からは敵の攻撃が降り注ぐ。この戦闘で燃料タンクが破損、途中で見つけたウイスキーを代替燃料に使う。

  • エアロボット(左)との最終決戦。驚異的な戦闘力にガンヘッド507は圧倒される。もはや打つ手なしと思われたそのとき、ブルックリンが捨て身の攻撃を仕掛ける。

WORLD

物語はすべてカイロン5が支配する塔の中で進行する。動きが制限される閉鎖空間での戦闘場面は緊迫感を高める。また、塔の内部はミニチュアを多用した特撮で表現され、実写ならではの迫力を生み出している。

  • 垂直の穴をワイヤーを使って登るが自らの重みを支えられなくて落下するガンヘッド。ワイヤーの張りや火花など、ミニチュア特撮ならではの迫力が生きる場面。

  • 作りこまれたセット。塔の内部は薄暗い工場のようであり、敵の本拠地の内部を突き進むブルックリンたちの孤立感を際立たせた。

サンライズ初の実写ロボット映画

実際に製作されたガンヘッドの実物大プロップ。中央コクピット内にいるニム役のブレンダ・バーキと比較すると巨大さがわかる。

サンライズ初の実写ロボット映画

本作では、アニメの製作会社であるサンライズが初めて実写作品の製作に挑戦している。主役ロボットであるガンヘッドのデザインは当時のアニメロボットとは異なるもので、兵器然とした無骨なものになっている。これは実写映画ということを踏まえてリアリティのある視覚効果を狙ったという面のほかに、足の細いアニメ風のロボットのデザインでは、実物大プロップの撮影時に自立させにくいなどの問題点からである。この1/1スケールのプロップは高さが6メートルにも及ぶ巨大なもので、実際の撮影でも登場人物とガンヘッドが絡むシーンなどに使用されたほか、映画の宣伝用にも活用されている。