©創通・サンライズ
作品名 | 機甲戦記ドラグナー |
作品名 (ひらがな) | きこうせんきどらぐなー |
Title (英語表記) | METAL ARMOR DRAGONAR |
放送開始 | 1987年2月7日 |
放送終了 | 1988年1月30日 |
話数 | 全48話 |
スタジオ | 第7スタジオ |
主題歌 | OP 「夢色チェイサー」 歌/鮎川麻弥(第1~26話) 「スターライト・セレナーデ」 歌/山瀬まみ (第27~48話) ED「イリュージョンをさがして」 歌/鮎川麻弥 (第1~26話) 「Shiny Boy」歌/山瀬まみ(第27~48話) |
関連リンク | http://www.dragonar.net/ |
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キャスト
ケーン・ワカバ/菊池正美
タップ・オセアノ/大塚芳忠
ライト・ニューマン/堀内賢雄
リンダ・プラート/藤井佳代子
ローズ・パテントン/平松晶子
ベン・ルーニー/島香 裕
ダイアン・ランス/勝生真沙子
マイヨ・プラート/小杉十郎太
グン・ジェム/加藤 治
ドルチェノフ/飯塚昭三
ギルトール/大木正司 -
スタッフ
企画/日本サンライズ(第20話より「サンライズ」表記)
原案/矢立 肇
シリーズ構成/五武冬史
音楽/渡辺俊幸、羽田健太郎(第27~48話)
キャラクターデザイン/大貫健一
コスチュームデザイン協力/鈴木雅久
メカデザイン/大河原邦男
美術/中村光毅、岡田有章
編集/布施由美子(井上編集室)
音響/藤野貞義
監督/神田武幸
プロデューサー/神谷寿一(第1~13話)
今井 慎(第14~48話)
稲垣光繁
吉井孝幸
新世代ファンをターゲットにしたリアルロボットアニメの総決算
【ストーリー】
西暦2087年、月の開発都市が「統一帝国ギガノス」を名乗り、地球連合に反旗を翻した。人型兵器メタルアーマー(MA)と大質量物投射器マスドライバーを有するギガノス軍は地球の約7割を制圧。地球連合は窮地に立たされた。そんな中、「D兵器」と呼ばれる次世代MAドラグナーが、ギガノスを裏切った開発者プラート博士の手で連合軍の輸送船アイダホに積みこまれ、中立コロニー、アルカードに入港する。アルカードの学生ケーン、ライト、タップの3人は、ひょんなことからドラグナーにパイロットとして登録され、追撃してきたギガノス軍と戦うことになる。
【解説】
アニメファンの世代交代を意識した、リアルロボットアニメの総決算的作品。「宇宙移民者による地球政府への独立戦争」「軍の新兵器に搭乗する民間人の少年」「敵軍内で複雑な立場にあるライバル」といった、『機動戦士ガンダム』以来のモチーフを積極的に継承している。一方で、若手スタッフを起用し、ポジティブな性格の主人公たちのコミカルな掛け合いや思いきったデフォルメ描写によるメカの戦闘シーンなど、明朗なテイストを導入。シビアな戦争を背景にしながらも、新しい視聴者に親しみやすい軽快な演出とドラマ展開で、暗くなりがちなリアルロボット路線の刷新をはかった。
地球連合軍が奪取したD兵器は、偽装された難民船アイダホで輸送されていたため、船内には軍人だけではなく、戦火を逃れた多くの民間人も乗っていた。その中で、ケーンたちは多くの出会いと別れを経験していくことになる。
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ケーン・ワカバ
D-1のパイロット。父はアメリカ人で母は日本人。基本的には軽い性格だが、仲間の危機には自らを省みない熱血漢。
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ドラグナー1型(D-1)
接近戦に長けたMAで、武器はハンドレールガンやレーザーソード。頭頂高17.5メートル、運行自重61.5トン。
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ドラグナー2型(D-2)
中長距離砲撃戦用のMA。280ミリレールキャノンほか、様々な固定武装や携行武器を持つ。D-1同様、後にカスタム化された。
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ドラグナー3型(D-3)
電子戦に特化したMAで、長距離索敵が可能。また、ジャミングや敵コンピュータのハッキングを行って友軍を支援する。
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D-1カスタム
量産機ドラグーンの完成で旧式化したD-1を、設計者であるラング・プラート博士自らの指揮で大改修した機体。
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ライト・ニューマン
ケーン、タップの同級生で、D-3のパイロット。常に沈着冷静で、熱くなりやすいケーンのなだめ役に回ることが多い。
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タップ・オセアノ
陽気な音楽好きで、3人のパイロットの中ではムードメーカー的な存在。ローズのことを気にかけている。
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リンダ・プラート
アイダホに乗っていた避難民。兄がギガノス軍に所属しているため、当初はケーンたちに心を閉ざしていた。
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ローズ・パテントン
やはりアイダホに乗っていた避難民で、後にリンダとともにドラグナー遊撃隊に加わり、ケーンたちをサポートする。
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ベン・ルーニー
ケーンたちの教育係を任された連合軍の軍曹。強面だが人情深い性格で、ケーンたちの頼れる兄貴分となる。
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ダイアン・ランス
避難民を装ってアイダホに乗船していたが、実はドラグナーを監視する連合軍の情報部員だった。階級は少尉。
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マイヨ・プラート
「ギガノスの蒼き鷹」と呼ばれる親衛機甲師団のエースパイロット。ギルトール元帥に心酔し、家族と袂を分かった。
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ファルゲン
ラング・プラート博士が息子のマイヨの専用機として設計し、1機のみ作られたMA。戦闘能力はドラグナーに匹敵する。
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ギルトール元帥
ギガノスの国父にして最高権力者。地球の未来を憂い、その元凶となっている人類の粛清に乗り出した。
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グン・ジェム
友軍にすら「ギガノスの汚物」とさげすまれている、ならず者部隊の指揮官。ドラグナー遊撃隊の前に、強敵として立ちはだかった。
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ギルガザムネ
思考コントローラーを搭載しており、複数の敵を同時に攻撃できる究極のMA。通常のMAの1.5倍の巨体を誇る。
ケーン、タップ、ライトの3人は、偶然ギガノスのスパイからD兵器の起動ディスクを託され、追ってきたギガノス軍の上陸部隊をドラグナーに乗って蹴散らす。否応なくドラグナーのパイロットとして軍に徴用されたものの、民間人のケーンたちに、突然責任感が沸き上がるはずがなかった。しかし、戦争がもたらす数々の悲劇を目にした彼らは、人として大きく成長していくことになる。
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コロニーの入国管理官だったケーンの母アオイは、戦闘中に行方不明になってしまう。
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ケーンたち3人は輸送船アイダホの格納庫に紛れこみ、D兵器ことドラグナーを発見する。
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母の安否を確かめるために、無断でドラグナーで出撃する3人――しかし結局見つからない。
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MAのパイロットとしては素人同然のケーンたちだが、普段からのチームワークと機体の性能のおかげで、ドラグナー奪回をもくろむギガノス軍を辛くも撃退しつづけ、成長していく。
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D兵器にパイロット登録されてしまった3人は、渋々ながら連合軍の兵士になることを承諾。
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ギガノスのエース、マイヨ・プラートが操るMAファルゲンの前に、ドラグナーは苦戦する。
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マイヨに心酔する親衛機甲兵団の幹部候補生、プラクティーズの3人も、ケーンたちを襲う。
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地球に降下したケーンたちは、空母アクアポリスに回収され、連合軍の司令部へと向かう。
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新たに開発されたフライトユニットを装備し、ドラグナーは飛行が可能となった。
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度重なる作戦失敗の責任を追及され、マイヨは南部戦線に更迭される。
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左遷中のマイヨは、ギガノス本国での反乱騒ぎを主導した疑いで、月への召還を命じられる。
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マイヨは命令を受けるかわりにケーンとの会見を許され、妹リンダを連れ帰ろうとする。
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しかし交渉は決裂、リンダはケーンたちとともにいることを望む。
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リンダの父ラング・プラート博士は、旧式化したドラグナーの改修を思いつく。
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大量配備されていく量産機ドラグーン。これにより連合軍は各地で勢力を盛り返していく。
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ケーンたちのチームは、「ドラグナー遊撃隊」という独立作戦部隊となる。
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ドラグナーの量産機であるドラグーンが作られている中国の重慶基地を攻略すべく、ギガノス軍はグン・ジェム隊を派遣。ドラグナー遊撃隊は、彼らとの長期戦を強いられることに。
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ギガノス軍の強硬派ドルチェノフは、ギルトール元帥を射殺し、総統の地位を簒奪する。
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ドルチェノフにより、マイヨはギルトール暗殺の罪を着せられる。マイヨは失意に沈む。
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ケーンの母アオイを人質にとったドルチェノフは、ケーンをギガノス軍に投降させる。
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母を人質に取られたケーンは、ドルチェノフの命令で、味方への攻撃を強いられる。戦場でのドラグナー同士の激突に、連合軍は動揺する。
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アオイの救出作戦中、リンダはギルトールの仇討ちに立った兄マイヨと再会を果たした。
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連合軍の大攻勢でギガノス軍の機動要塞は完全にコントロールを失った。ケーンは、ドルチェノフに一矢報いるべく要塞内に戻り、マイヨを助けて敵将が自ら操るギルガザムネと対決する。
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ケーンとマイヨ、かつてのライバル同士が共通の敵ドルチェノフを倒すために共闘する。
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月面に落下する機動要塞を見守るケーンたち。マイヨは要塞と運命をともにしようとするが、父ラングの説得を受けて脱出する。
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ケーンの長い戦いは終わった。自らが築いた未来への道を、彼はともに困難を乗り越えた仲間たちと歩んでゆくのだった。
時代設定は作品の製作年のちょうど100年後。宇宙開発の技術は格段に進歩しているが、MA以外の要素には過度なSF的デフォルメを加えず、予想できる範囲での未来世界が構築された。
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月と地球の間で繰り広げられる連合とギガノスの宇宙艦隊戦。両軍の艦隊は月面のクレーターの一つを利用して建造された。
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本来は、一度に大量の物質を衛星軌道上に輸送するために作られたマスドライバー。ギガノスは地球への隕石攻撃に使用した。
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ギガノス軍巨大宇宙機動要塞。全体から伸びた無数の砲塔は、ギルガザムネと同じく脳波コントロールで制御される。
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地球でのドラグナー隊の母艦となった連合軍の空母アクアポリス。現代のアメリカ海軍の空母に似たシルエットになっている。