装甲騎兵ボトムズ 赫奕たる異端

触れえざる者――その名はキリコ
ＴＶシリーズの後の時代を描くOVA作品

【ストーリー】
アストラギウス銀河を二分するギルガメス星域軍とバララント星域軍の戦いは、開戦から百数十年以上が経っていた。両星域を精神面から深く支配する汎銀河宗教結社マーティアルのモンテ=ウェルズ卿は、「触れえざる者」とされるキリコ・キュービィーが冷凍睡眠から蘇生したと知り、自身の権力を守るためキリコ抹殺に動き出す。一方のキリコは人型ロボット兵器のアーマードトルーパー（AT）を駆り、蘇生途中で離ればなれになった恋人でパーフェクトソルジャー（PS）のフィアナを捜す。だが、その前に超兵士ネクスタントと呼ばれる女戦士テイタニアが刺客として立ちはだかった。

【解説】
1983年に放映され熱狂的なファンを獲得したTVシリーズ『ボトムズ』の続編OVA。TVシリーズ最終回で、愛する女性フィアナとともに冷凍睡眠に入った主人公キリコ。だがその32年後に蘇生し、アストラギウス銀河の権力をめぐる争いに巻きこまれていくさまを描く。PSの寿命が2年であるなどTVシリーズを補完する新設定や、ヒロインであるフィアナの死といった新展開が描かれる一方、キリコが「神の子」として描かれるなど、宗教神話的な描写も導入してTVシリーズとは異なる表現にも挑戦している。

永き眠りから蘇生したキリコ。果たしてその復活はアストラギウス銀河に何をもたらすのか。

• 
• 

  キリコ・キュービィー

  異能者。何者かに奪われたフィアナを取り戻すため、戦いの嵐を引き起こす。

• 
• 

  テイタニア・ダ・モンテ=ウェルズ

  マーティアルの使徒にして補助脳を持つ超兵士ネクスタント。父モンテ=ウェルズ卿の思惑とは別に、武人の誇りを賭けてキリコに戦いを挑む。

• 
• 

  バーグラリードッグ

  マーティアルの本拠襲撃のためにキリコが使った機体。戦車も撃破可能なドロッパーズフォールディングガンや悪路走破用のトランプルリガーを装備する。

• 

  エルドスピーネ

  マーティアル防衛隊が用いるH級AT。オーデルバックラーの原型機。全高4928ミリ、乾燥重量8511キロ。

• 

  オーデルバックラー

  テイタニアが搭乗する専用AT。優れた運動性と高速移動性能を誇りキリコのATを翻弄、高い戦闘力で圧倒した。全高4319ミリ。

• 

  モンテ=ウェルズ卿

  テイタニアの父親で次期法皇候補。テイタニアを使いキリコ抹殺を企て、その実績で法王の座をつかむ。

かつてマーティアルはキリコを「触れえざる者」とし、関わることを禁じた。だが超兵士ネクスタントの開発に成功したモンテ=ウェルズ卿は、自らが次期法王の座に着くため、ネクスタントである娘テイタニアにキリコ抹殺を命じる。

• 

  モンテ=ウェルズ（右）にキリコ復活の報が届く。彼はテイタニアに抹殺を命じた。

• 

  テイタニアはキリコが蘇生した人工衛星を急襲する。圧倒的な力がキリコを襲う！

• 

  体内の補助脳で戦闘能力を飛躍的に高めた生体兵器ネクスタントに、キリコも苦戦。

• 

  生き延びたキリコは、軍医ゴディバ（左）の協力を得てフィアナを奪い返そうと追跡を開始。

• 

  マーティアルの聖地アレギウムにはロッチナがいた。彼はキリコの記録を編纂していた。

• 

  フィアナはアレギウムに在った。一連の事件はモンテ=ウェルズの画策とキリコは知る。

• 

  キリコはATでアレギウムを強襲した。根本聖堂で敵ATと激烈な死闘が展開する。

• 

  法王の座に就いたモンテ=ウェルズは野心成就のため、テイタニアをキリコにぶつける。

• 

  キリコはAT戦で敗北するものの、偶然放った銃弾がテイタニアの戦意を奪った。

• 

  フィアナの寿命はすでに尽きていた。キリコに抱かれながら彼女は永遠の眠りにつく。

• 

  数ヶ月後、テイタニアはキリコを追って荒野を旅していた。マーティアルを捨てて……。

• 

  一人荒野をゆくキリコ。彼が探すものは何なのか。それは、誰も知らない……。

荒廃した独特の雰囲気を漂わせるボトムズ世界。本作ではその内容に合わせて、異銀河の宗教世界を描くべく多数の設定が作られた。

• 

  人工衛星都市コンプラント。キリコはここで覚醒、テイタニアと最初の死闘を演じた。

• 

  第9セクター支部。この地でテイタニアは「秩序の盾」の階位を授かる。

• 

  マーティアルの聖地アレギウム、その根本聖堂。最後の戦いの場となった。

• 

  頭文字と鍵をデザインしたマーティアルの紋章。その信徒は銀河中にいる。