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作品名 | 超魔神英雄伝ワタル |
作品名 (ひらがな) | ちょうましんえいゆうでんわたる |
Title (英語表記) | CHO MASHIN HERO WATARU |
放送開始 | 1997年10月2日 |
放送終了 | 1998年9月24日 |
話数 | 全51話 |
スタジオ | 第6スタジオ |
主題歌 | OP「ひとつのハートで」 歌/三重野 瞳(第1 ~ 32 話) 「POWER OF DREAM」 歌/三重野 瞳(第33 ~ 51 話) ED「BOYS BE AMBITIOUS」 歌/三重野 瞳(第1 ~ 32 話) 「がんばって」 歌/三重野 瞳(第33 ~ 51 話) |
音楽配信リンク | 超魔神英雄伝ワタル Music Collection |
関連リンク | https://www.mashin-eiyuuden-wataru.net/chowataru/ |
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キャスト
戦部ワタル/田中真弓
剣部シバラク/西村知道
忍部ヒミコ/林原めぐみ
龍神丸/玄田哲章
スズメ/宮村優子
聖樹/伊藤健太郎
虎王/伊倉一恵
ドード/愛河里花子
ドルク/横山智佐
ドラン/林 延年
ドナルカミ大王/掛川裕彦 -
スタッフ
企画/サンライズ
企画協力/レッドカンパニー
原作/矢立 肇、広井王子、井内秀治
キャラクターデザイン/芦田豊雄
メカニックデザイン・コンセプトデザイン/中沢数宣
アニメーションメカデザイン/宮澤 務
美術監督/佐藤 勝
色彩設計/佐藤美由紀(エムアイ)
撮影監督/桶田一展
編集/鶴渕友彰
音響監督/藤野貞義
音楽/朝川朋之、佐藤俊彦
監督補/福本 潔
総監督/井内秀治
プロデューサー/小林教子(テレビ東京)、山崎立士、指田英司
根強い支持を受け6年越しで復活したTVシリーズ第3弾
【ストーリー】
異世界「神部界」にある神々の住む山、創界山。戦部ワタルが救世主として戦ったこの山に再び危機が訪れていた。魔界の王アンコクダーの配下であるドナルカミファミリーが人々から「良き心」を奪い、創界山を支配してしまったのだ。第七界層が消え失せ、創界山の虹は濁っていく……。そして、ワタルもまたアンコクダーによって「良き心」を盗まれ、創界山での記憶を無くしてしまっていた。かつての旅の仲間、シバラクとヒミコに神部界へ連れてこられ、記憶だけは取り戻すことができたワタルは、再び救世主としての旅を始める。創界山の平和と、「良き心」を求めて。
【解説】
1991年に放映終了した『魔神英雄伝ワタル2』から実に6年7ヶ月ぶりとなる『ワタル』TVシリーズ第3弾。毎回異なるモチーフを持った不思議な世界やユニークなゲストキャラが登場するという『ワタル』TVシリーズの特色を活かしつつ、「心」をテーマにした新しい『ワタル』ワールドが描かれた。ストーリーの進展に従って主役メカである龍神丸のパワーアップ形態が増えていき、戦いの状況に応じてそれらを使い分けるという戦略性のあるバトルも特徴の一つ。ゲームやラジオなどとのメディアミックスを積極的に行った作品でもある。
ワタルたちは魔神と呼ばれるロボットに乗って戦う。龍神丸や戦神丸はデザインこそ変わっているものの、ほとんどの『ワタル』シリーズに登場するおなじみの魔神だ。
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戦部ワタル
小学4年生。創界山の救世主として再び神部界に召喚された。正義感は強いがお調子者なところも。登龍剣をかかげて龍神丸を呼び出し戦う。
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龍神丸
ワタルの魔神。創界山に眠る聖神(せいしん)の心と力を得ることによって剣王龍神丸をはじめとする様々な形態に超力変身する。必殺技は登龍剣。
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剣王龍神丸
第三界層の聖神「黒鋼(くろがね)の剣王」の力を得て、超力変身した姿。
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剣部シバラク(左) 忍部ヒミコ(右)
ワタルが初めて創界山で冒険した時以来の仲間。シバラクはワタルの師匠で剣の達人。戦神丸に乗りこみ戦う。ヒミコは忍部一族13代目の頭領。奇天烈な忍法の使い手だ。
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戦神丸
シバラクの魔神。放映時の世相を反映し、「1000-10-0」(セン・ジン・マル)と携帯電話をかけて呼び出すが、つながらないときも多々。
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虎王
ワタルの親友。敵によって記憶を奪われ、ワタルたちに襲いかかる。創界山の皇子「翔龍子」という、もう一つの姿と人格を持つ。
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スズメ
ワタルを狙う賞金稼ぎだったが、旅の中でワタルたちの仲間になっていく。幼いころに別れた両親がおり、実は創界山から逃れた心星人たちの一族である。本当の名前はイヴ。
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鳥神丸
スズメの操る魔神。移動手段として使用されることが多かった。飛行能力を持たない戦神丸(後に飛行可能になる)と協力して戦う場面も。
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聖樹
ワタルに同行する謎の少年。一般常識に乏しいために天然ボケ的な振る舞いを見せる。元々は虎王の持っていた木の人形だった。
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ドナルカミ大王 ドナルカミ女王
ドナルカミファミリーの中心となる夫妻。息子たちを使って創界山を支配していた。元は魔界の者ではなく天上界の人間だったがアンコクダーに「良き心」を奪い取られたことで手先となってしまっていた。
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ドード
ドナルカミファミリーの末弟。負けん気が強く、ワタルを付け狙う一方で虎王とは何かにつけて張りあっていた。虎王を通して友情に目覚めていく。
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ドラン
ドナルカミファミリーの次男。オカマ言葉で喋り、ワタルを抹殺するための策謀を繰りひろげる。目的のためなら手段を選ばない性格。
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ドルク
ドナルカミファミリーの長女。厳しい環境の魔界で生き抜くためにマスクを付け、男の格好をしていた。聖樹との関わりの中で心を取り戻していく。
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アンコクダ―
ドナルカミファミリーを操る魔界の王。創界山の女王「聖龍妃」によって力を封じこめられ人間の姿となっていたが、聖龍妃が倒れたことで本来の姿を現す。
アンコクダーに「良き心」を奪われた人々は自分を見失って悪事を働くようになってしまう。彼らを救い、奪われた「良き心」を取り戻すために、ワタルたちは創界山の第七界層をめざして旅を続ける。
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あたりまえの日常を送っていたワタルはアンコクダーの手の者によって「良き心」と救世主としての記憶を奪われてしまう。
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戦いの中、ワタルに救世主としての記憶が甦る。ワタルは懐かしい創界山でシバラク、ヒミコらとの再会を喜びあった。
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ドナルカミ大王はワタルに高額の賞金をかけた。スズメは賞金額がつり上がるのを期待してワタルと同行することを決める。
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世界についての知識が乏しい聖樹は猫やら地蔵やら亀やらに「あなたがワタルさんですか?」と見当違いなことを尋ね歩いていた。
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突然、聖樹の体から創界山の女王、聖龍妃が現れた。アンコクダーを倒すためには龍神丸が超魔神になることが必要なのだと言う。
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過去の世界で出会ったもう一人の救世主、炎部ワタル。二人のワタルはお互いに「自分こそが本物の救世主」と言って譲らない。
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はるか過去の創界山で炎部ワタルが召喚したもう一体の龍神丸(左)。時を越えて実現した2体の龍神丸による息の合ったコンビネーション攻撃は敵を圧倒する強さを見せつけた。
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聖なる森の力で剣王の剣と聖神、剣王が甦った。剣王は言う。「剣王の剣で斬れないものはただ一つ。それはお前の心の中にある」と。
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第四界層のボス、氷の女王フリザベートによって虎王は偽の記憶を植えつけられ、自分が何者であるかさえわからなくなっていた。
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フリザベートは自分の息子に会えない悲しみから虎王を操っていたのだった。スズメは力ずくでも会いに行けばいい、と叱咤する。
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第五界層でワタルたちはヘンテコな猫のタマと出会う。だがその正体はアンコクダーに記憶と力を封じられた聖神、氷河の白虎だった。
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スズメは創界山とは別の世界、「心星界」の住人である心星人たちと出会う。そしてスズメの拳にもその証である星形のアザが……。
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まやかしの記憶に操られた虎王がワタルに襲いかかる。親友ではなく、母親の仇として。だが最後までワタルは虎王を信じていた。
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記憶を取り戻した虎王はもう友達じゃない、とドードは虎王に殴りかかる。だがそれはドードの思いこみでしかなかった。
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第七界層、聖龍殿の倉庫で見つけた古文書には龍神丸のルーツであるいにしえの勇者「龍神丸」のことが描かれていた。
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聖龍妃は最後の力を使って虎王と翔龍子を分離させる。初めて見るもう一人の自分の顔を二人はそっと撫であうのだった。
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第七界層を司る最後の聖神は聖龍妃だった。すべての聖神たちの心と力が一つになり、ついに超魔神龍神丸が誕生した。
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「良き心」を取り戻したドードたちの前にドランが立ちはだかる。家族同士での争い。だがドードの涙がドランの心を動かしていく。
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アンコクダーと戦うワタルを助けるため、ドードたちは自らアンコクダーの中に入り、ワタルの「良き心」を探し出す。
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アンコクダーの鎧は「良き心」でできていた。攻撃するわけにはいかない。ワタルは剣を捨て、人々とアンコクダーの心に語りかけた。
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「たとえ魔界の者に奪われても良き心の力は消えはしない!」ワタルの龍神丸を大切に思う気持ちが、龍神丸の真の姿を目覚めさせた。
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戦いが終わった後、すべての力を使い果たした聖龍妃はすでに息絶えていた。愛する母の死に、虎王の慟哭が響く。
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聖龍妃の力で人形から人間になった聖樹は、ドルクたちドナルカミファミリーやスズメたちとともに心星界へ向けて旅立っていった。
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長い旅が終わり、ワタルは再び元の世界へと帰っていく。不思議なことに、帰ってきた町はなぜだか以前よりも優しく見える気がした。この気持ちを、ずっと忘れない。ワタルはそう胸に刻むのだった。
ワタルたちが冒険する創界山は7つの階層に分かれており、いずれも異なった特徴を持つ世界となっている。各界層にはそれぞれを司る聖神が存在し、聖神の心と力を得ることで龍神丸はパワーアップしていく。
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植物が生い茂る第二界層。この世界には「救世主が歩く道には6つの花が咲き、虹のつぼみが花開く」という伝説があった。
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第四界層は氷の女王フリザベートの力によって極寒の世界になっていた。アツアツおでんを売っているコンビニがあったりもする。
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他の界層と一風変わって近代的なビルが立ち並ぶ第五界層。大都会の中には魔神を作る工場や格闘ロボットコロシアムなどがある。
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第六界層は見渡すかぎりの大海原が舞台となった。実はアンコクダーによって失われた第七界層はこの海の底に沈んでいたのだ。
ラジメーション、もう一つの『ワタル』
本作は3作目のTVシリーズだが『ワタル3』ではない。『ワタル3』は1991年にラジメーション(ラジオとアニメーションの合成語)、つまりラジオドラマとして発表されている。当時アニメをモチーフにしたラジオドラマはまだ非常に珍しいもので、『ワタル3』はその草分け的な作品だった。さらにその後も『ワタル4』『ワタル外伝』とラジメーションの『ワタル』シリーズは展開され続け、そうした動きの中で本作『超魔神英雄伝ワタル』は生み出されていったのだ。