©サンライズ
作品名 | DEAD HEAT |
作品名 (ひらがな) | でっど ひーと |
Title (英語表記) | DEAD HEAT |
発売日 | 1987年8月7日 |
話数 | 全1話 |
スタジオ | 第2スタジオ |
-
キャスト
マコト/矢尾一樹
カオリ/本多知恵子
サブロー/大塚芳忠
ヨシオ/桜井敏治
ゴウ/大林隆介
ナツオ/曽我部和恭
マリア/勝生真沙子 -
スタッフ
企画/日本サンライズ
脚本/遠藤明範
キャラクターデザイン/小林利充
メカニカルデザイン/佐山善則
作画監督/小林利充
美術監督/池田繁美
撮影監督/三沢勝治
音楽/田中公平
監督/川瀬敏文
プロデューサー/内田健二、小松茂明
人型レーシングマシンの近未来SFレースを描いた完全新作OVA
【ストーリー】
FX(エフェックス)と呼ばれるモータースポーツが人気を集める近未来。D級FXチーム「ビッグウェーブ」のマコトは、謎の男ゴウから渡された未知のエンジンで、オープンカップ上位をめざす。憧れのA級ライダー、ナツオに馬鹿にされてさらに闘志を燃やすマコトは、上位集団を追い上げる。
【解説】
当時の新メディアVHDで発売された、完全オリジナル作品。それまでサンライズでは、TVシリーズの総集編やスペシャル版といったOVAはあったが、完全新作のOVAは本作が初めて。VHDディスクの3D再生システムに対応するなど、新メディアの機能を活用した。
競走相手への妨害も可能な、手脚のあるマシンFX。マコトたち「ビッグウェーブ」も弱小ながら、白熱のレースに臨む。
-
マコト
素直な性格のD級FXチーム、「ビッグウェーブ」のライダー。いつかA級に昇格してトップライダーになるのが夢。
-
マコトのFX
ビッグウェーブのDクラスFX。ゴウのエンジンで生まれ変わる。全高2270ミリ。
-
カオリ
「ビッグウェーブ」のスタッフ。男勝りの明るい性格で、ピット内のムードメーカー役。
-
ゴウ
マコトたちに新型ハイパーエンジンを提供する謎の男。実はかつて、FXメーカーのエンジン開発担当だった。
-
ナツオ
A級ライダーのスーパースター。若者たちの憧れの的。レースでマコトと激しいデッドヒートを繰り広げる。
-
ナツオのFX
数々のタイトルを獲得してきたナツオが操る、AクラスのFX。
-
マリア
ナツオのチームに所属するメカニック。マコトが乗るFXのエンジンの「真相」を明かす。
A級からD級までの全クラスが同じレースに出られるオープンカップに参加する「ビッグウェーブ」。だが、スタッフはわずか4人。そんな彼らの気概を買って、新型エンジンを提供を申し出るゴウ。はたしてその効果のほどは?
-
C級昇格を目前にしながら、最後にコケるマコト。活気あふれる「ビッグウェーブ」の姿を見て、ゴウは彼らに白羽の矢を立てる。
-
マシン整備の資金がなく、ジャンクあさりにきたマコトたちをつかまえて、ゴウは強引に新型エンジンの提供を申し出る。
-
夜の一般道に出て、マコトとカオリは新型エンジンを試運転。追ってくるパトカーをかわしながら、マコトは段違いのパワーに驚く。
-
オープンカップのレース前、マコトはカオリに引っぱられて憧れのナツオにサインを貰いにいくが、手ひどい侮辱を受けて幻滅する。
-
オープンカップのレースがスタート。マコトはスタートダッシュから快調に飛ばし、上級のFXたちをごぼう抜きしていく。
-
A級スターの実力を見せつけ、ナツオはたちまちトップに。だがマコトは徐々に追い上げ、ついにナツオを抜きトップに躍り出る。
-
しかしゴール直前、改良が不完全だったエンジンは黒煙を発し、マシンは停止。悔し泣きするマコトだが、「気の入ったいい走りだった」とナツオに褒められ、決意を新たにするのだった。
FXとは、自動車とオートバイの規定(Formura)を越えて未来(Future)を調査(Examination)するもの、という願いをこめた「フォーミュラ・エキザミネーション」の略称。ライダーたちはA級昇格をめざし、白熱のサーキットを駆ける。
-
FXレースが行われるサーキットの全景。可動の手脚をもつFXに合わせた、起伏に富んだコースになっている。
-
大きな高低差をもつジャンプ台のような路面。ヤワなFXは、着地のときの衝撃や他のFXの妨害などでクラッシュし、脱落する。
-
ギャラの少ないD級チームは、レースだけではやっていけない。「ビッグウェーブ」の面々もバイトでマシン整備代を工面している。
-
オープンカップのピット風景。年に一度、全級エントリー可能なオープンカップは下級のチームにとって下剋上のチャンスともなる。
VHDは結局、LDに及ばなかった。だが技術に夢を託す時代の活気は、マコトたちのような希望に満ちていた。
ビデオディスク普及競争の中で生まれた異色作
本作がリリースされたVHD(Video High Density Disc)は、日本ビクターが開発した当時のビデオディスク方式で、パイオニアが開発したレーザーディスク(LD)との規格争いを繰り広げていた。新たな映像メディアの普及をはかる各メーカー陣営にとって、先進技術への興味やコレクション欲求の強いアニメファンに対し、いかに訴求力あるソフトを投入できるかが、勝負の重要な分かれ目となる。本作『DEAD HEAT』は、まさにそんな次世代ビデオディスクの標準を争うデッドヒートの中で発売された。VHDの特徴に、液晶シャッター付きスコープを装着することで3D立体映像を楽しめる機能があったが、本作はその数少ない対応ソフトの一つ。アニメファンにVHDならではの魅力をPRすべく、期待を込めて送り出された一作だった。