©寺沢大介/講談社・サンライズ
作品名 | ミスター味っ子 |
作品名 (ひらがな) | みすたーあじっこ |
Title (英語表記) | MR. AJIKKO |
放送開始 | 1987年10月8日 |
放送終了 | 1989年9月28日 |
話数 | 全99話 |
スタジオ | 第7スタジオ |
主題歌 | OP 「ルネッサンス情熱」 歌/国安わたる ED 「心のPhotograph」 歌/国安わたる |
音楽配信リンク | ミスター味っ子 満腹定食(オリジナルサウンドトラック) |
関連リンク | https://www.sunrise-inc.co.jp/ajikko/ |
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キャスト
味吉陽一/高山みなみ
味吉法子/横尾まり
山岡みつ子/川浪葉子
山岡しげる/ならはしみき
味皇/藤本 譲
丸井善男/飯塚昭三
下仲基之/堀内賢雄
垂目/龍田直樹
堺 一馬/鈴木みえ
コオロギ/神代知衣
小西和也/鈴置洋孝
中江兵太/佐々木 望
劉虎峰/飛田展男
味将軍/銀河万丈
ブラボーおじさん/石森達幸 -
スタッフ
企画/サンライズ
原作/寺沢大介(「週刊少年マガジン」)
シリーズ構成/鳥海尽三、鳳工房(第76〜99話)
チーフライター/城山 昇(第1〜75話)
キャラクターデザイン/加瀬政広
毛利和昭(第76〜99話)
料理キャラデザイン/河村佳江
美術/岡田和夫(第1〜25話)
朝倉千登勢、新井寅雄(第26〜99話)
作画監督チーフ/加瀬政広(第1〜75話)
毛利和昭(第76〜99話)
編集/掛須秀一、石田 悟、牧岡栄吾
音響監督/山崎 宏
音楽/藤田大士
演出チーフ/中村憲由、山口祐司(第51〜99話)
監督/今川泰宏
プロデューサー/江津兵太(テレビ東京)
池田朋之(テレビ東京)(第1〜50話)
長谷川 徹(サンライズ)(第1〜74話)
内田健二(サンライズ)(第75〜99話)
グルメブームを超越し、美味表現の新たな地平を切り開く!
【ストーリー】
日本の全料理界に君臨する味皇料理会。その会長の味皇こと村田源二郎は、ふとしたことで下町の食堂「日之出食堂」に立ち寄る。そこでは中学生の味吉陽一が包丁をあずかり、すべての料理は陽一の手によるものという。味皇の秘書、垂目などは店の作りや陽一が子供ということで小馬鹿にするが、味皇は真摯に陽一の作ったカツ丼に箸を伸ばす。一口食したその瞬間、味皇は食の感動に包まれた。「うまいぞー!」心の底からの感嘆の叫びとともに平らげる味皇。それが天才少年料理人、味っ子こと陽一と味皇の出会いだった。味勝負や味探しを経て料理の高みをめざす陽一の、新たな道がここから始まった。
【解説】
マンガが主導するかたちで拡大した1980年代のグルメブーム。そこに登場した「週刊少年マガジン」(講談社)連載の寺沢大介原作のコミック『ミスター味っ子』をアニメ化したのが、この作品である。原作の良さを生かしつつ、アニメのオリジナルキャラが物語をより盛り上げ、味皇をはじめとする陽一の料理を食べたキャラの、美味表現の爆発的リアクションが話題となった好評を受けて放映延長が決定し、最終的には全99話+スペシャル1話という長寿番組となる。ここで使われた美味表現は、その後のグルメ番組(アニメ以外も含む)に大きな影響を残すこととなった。
ひょんなことで味皇と知り合い陽一の人生は大きく広がっていく。しかしそれは一方的なものでなく、陽一と関わった人々もまた、彼に影響され変わっていった。人と人が関わっていく相乗効果の魅力を描いたのが、本作の人間描写の特徴だ。
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味吉陽一
父親亡き後、日之出食堂の味を守ってきた天才少年料理人。料理のセンス、発想力など抜群で、味皇に認められさらに飛躍していく。
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味吉法子
明るく優しい陽一の母親。調理は陽一に任せて主に給仕を担当しているが、看板女将としてなくてはならない存在。
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山岡みつ子
陽一の幼なじみで同じ中学に通うガールフレンド。料理は苦手だが陽一のアイデア料理の試食係、応援係として強力にバックアップしている。
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山岡しげる
おいしいものに目がないみつ子の弟。姉と同じく陽一の新料理の試食係で応援係としても姉について日之出食堂に。
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味皇(村田源二郎)
日本の料理界を統べる首領にして味の求道者。“味皇”と呼ばれ敬われている。陽一の才能をいち早く見いだした。
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味頭巾
「味」と刻んだ黄金お箸で料理の不正を暴く、村田源二郎のもう一つの姿。味の守護者である"味頭巾”として陽一の味勝負を見守った。
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丸井善男
味皇料理会イタリア料理部主任。一番最初に陽一と味勝負をし、陽一の腕を認めた。その後、良きアドバイザーとして陽一を見守る。
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堺一馬(右) コオロギ(左)
一馬はカレーの天才として陽一に挑んだライバル。後に大親友となる。一馬の助手のコオロギは、途中で女の子と判明。
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小西和也
「当たり前、当たり前、当たり前ぇー!」が口癖の元味皇料理会で肉料理部副主任。わがままな性格で協調性を欠き、脱会していった。
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味皇料理会の主任たち
左から下仲基之(フランス料理部主任)、米本靖道(中華料理部主任)、岸 裕之(日本料理部主任)、関場武雄(ドイツ料理部主任)。
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垂目森太郎
味皇の秘書。老舗洋食屋の跡取りだが、料理の才能は壊滅的レベルという。幼なじみの白川理恵(右)との結婚を控えている。
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ミニキャラ
アニメ版『味っ子』で大活躍だったミニキャラたち。陽一たち人物のデフォルメだけでなく、食材のキャラクターたちも多数登場。
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味将軍(村田源三郎)
食文化の支配をもくろむ味将軍グループの総帥。味皇の実弟だが、料理に対する考えの違いから袂を分かち、ライバルとなる。
味皇料理会と関係を持つようになった陽一は、日之出食堂の中だけではなく、広い世界で料理の道を探求していく。味将軍グループの料理人や、陽一と同じような少年料理人たちとの味勝負は真剣で緊迫した展開の連続だった。
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「まずいかどうか食ってみなきゃわからないだろ!」
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のれんを賭けてまで、味皇に「うまい」と言わせてみせると自信満々の陽一。それは傲慢からではなく確かな腕に裏打ちされた言葉だった。
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料理のおいしさに感動し、いつもの雄叫びとともに、ついには大阪城まで破壊してしまう味皇のイメージ。味皇の「うまいぞー!」パフォーマンスは毎回の見所だ。
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「大事なのは料理人の技量だ! 腕だ! 心だ!」「精進せいよーっ」。どんな一流料理人も味皇には頭が上がらないのだ。
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味皇と味将軍の原点は、二人の兄、源一郎が戦争後に再建した村田食堂。だが、源一郎は戦中の苦労がたたり病死してしまう。
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金さえあれば源一郎や戦災孤児を助けられたのではないか……。源三郎は「料理は味と心」という源二郎と離れ、味将軍となってしまう。
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オムレツ勝負で陽一と味勝負したウィーン少年料理団。下仲基之の後輩で陽一と競わせるためにオーストリアから連れてきた。
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味将軍グループのジェネスシに、ファンキーな服に身を包んだ味皇がやってきた。
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大阪出身の少年料理人、太郎と次郎。双子ならではのコンビプレイで陽一、一馬に挑戦。
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陽一と一馬のコンビが誕生。太郎、次郎の丼兄弟を超えるコンビネーションを見せ、みごと勝利する。二人は勝負を通して料理の腕だけでなく、信頼で結ばれた親友となっていった。
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料林寺を隠れ蓑にして、香港料理会を乗っ取ろうとした味将軍グループのカモン。
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中華料理の秘技を伝える香港の料林寺。大僧正に認められた劉虎峰と陽一は友人に。
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アジアの小国コパイア国王バルツ。戦後の混乱期に食べた村田食堂の味を探していた。
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幻の遠洋漁業料理人、味船敏八。荒磯料理を得意とする。陽一の父親の親友だった。
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陽一の周囲の大人の中でも、父親代わりと言って良いほど大きな存在となった丸井。
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男だと思っていたコオロギが、実はかわいい女の子と判明し、うろたえる一馬。
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京都の料亭の一人娘の章吉。普段は男装なのだが、七夕気分で陽一と良い雰囲気に……。
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過酷な味探しの末、すべての記憶をなくしてしまった味皇を励ます陽一たち。
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父親を亡くした幼き日の一馬。味頭巾(味皇)から庖丁を与えられ、以後精進していく。
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味頭巾に認められて父親になってもらうのが夢だった一馬は、実は味皇だったという彼の正体を知りショックを受けてしまう。
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味将軍も兄の味皇を心配してやってきた。子供時代のことを話して聞かせるが……。
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丸井はついに法子にプロポーズし、一緒にイタリアに来てほしいと告げる。このときは断る法子だったが、チャンスはまだありそう。
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事故に遭ったしげるを看病するみつ子の姿から、心を込めた料理の意味に陽一は気づく。
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心を込めて作ったカツ丼により、ついに味皇の記憶を取り戻させた陽一。相手を思うということの大切さを改めて思い知り、陽一の料理の道はさらに広がっていく。
香港など海外も舞台となった『ミスター味っ子』だが、基本となる場所は日之出食堂のある東京の下町。どこか懐かしくノスタルジックな雰囲気が、「うまい」という根源的感動を生み出す陽一の生活空間として納得できる。
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いなり通り商店街にある日之出食堂全景。隣の八百屋も外壁が木壁だったりと、古い昭和の街並みの雰囲気を残している。
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古くて豪華ではないものの、町の人々が食事を楽しむには十分な日之出食堂の内部。正面奥が厨房で、陽一が毎日腕をふるう。
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陽一のライバル堺一馬が日之出食堂の向かいに開いたカレーショップ。一馬が修行に出た後は、コオロギが守っている。
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味皇料理会の本部ビル(通称、味皇ビル)。中にはプロのための料理教室や、味勝負のためのスタジアムなども完備されている。