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作品名 | 無敵ロボ トライダーG7 |
作品名 (ひらがな) | むてきろぼ とらいだーじーせぶん |
Title (英語表記) | THE UNCHALLENGEABLE TRIDER G7 |
放送開始 | 1980年2月2日 |
放送終了 | 1981年1月24日 |
話数 | 全50話 |
スタジオ | 第2スタジオ |
主題歌 | OP 「トライダーG7 のテーマ」 歌/たいらいさお ED「俺は社長だ」 歌/たいらいさお |
音楽配信リンク | 無敵ロボ トライダーG7 オリジナルサウンドトラック |
関連リンク | http://www.sunrise-inc.co.jp/trider-g7/index.html |
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キャスト
竹尾ワッ太/間嶋里美
柿小路梅麻呂/永井一郎
大門先生/村山 明
三重子先生/馬場はるみ
砂原郁絵/潘 恵子
厚井鉄夫/藤本 譲
木下藤八郎/山本相時
滝 かおる/杉山絹恵
山田アキラ/山下啓介
大山健一/古川登志夫
オンドロン/池田 勝
ザクロン/曽我部和行 -
スタッフ
企画/日本サンライズ
原作/矢立 肇
シリーズ構成/星山博之
キャラクターデザイン/佐々門信芳
メカニカルデザイン/大河原邦男
美術/宮野 隆
作画監督チーフ/金山明博
編集/井上編集室、小松みどり
音響演出/千葉耕市
音楽/茅 蔵人
監督/佐々木勝利
プロデューサー/関岡 渉(名古屋テレビ)
大熊伸行(創通エージェンシー)
岩崎正美(日本サンライズ)
ご近所を舞台とした小学生たちのドラマと地球を守るロボットアニメの要素を合体
【ストーリー】
宇宙での仕事中に亡くなった父の後を継ぎ、宇宙の何でも屋、竹尾ゼネラルカンパニーの社長兼巨大ロボット「トライダーG7」のパイロットとなった竹尾ワッ太は小学6年生。赤字続きの会社だが、トライダーG7は、地球でも屈指の性能を誇る宇宙作業ロボットで、何かというと宇宙防衛省から緊急の依頼が入る。もちろん貧乏会社としては断ることはできない。今日も学校に、川原のグラウンドに、ワッ太を呼ぶ柿小路専務の声が響く。「社長、一大事ですぞォ!」 小学生社長は宇宙へ出動する。
【解説】
『ハリスの旋風』や『ど根性ガエル』といった「ご近所アニメ」風味と、宇宙の彼方からやってきたロボット帝国の太陽系侵略作戦とが並立する世界観。ロボット帝国の侵略は精緻に隠蔽されすぎて、主人公のワッ太や防衛省の安達長官たちも、まさか地球が狙われていたとは最終話まで全く気づきもしなかった。学校を舞台にしたいろいろなエピソードを通じてワッ太と同級生たちが繰り広げる生き生きとした子供たちの日常のドラマを、ロボットアクションに融合させた作品。
竹尾ゼネラルカンパニーは、宇宙の何でも屋。しかし、正直すぎるのか人情経営がたたってか、なぜだかまったく儲からない貧乏会社。怪ロボット事件が続発し、仕事は増えたのだが……。
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竹尾ワッ太
死んだ父にかわり、トライダーG7のパイロットと会社社長をつとめる少年。クラスメートの滝かおるちゃんが気になる小学6年生。
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トライダーG7
身長57メートルのロボット。ほかに飛行形態「コズミック」、重爆撃形態「イーグル」、地上形態「ビークル」に変形。頭部も「ホーク」、「マリン」、「モビル」の3形態を持ち、計7形態に変形する。
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トライダー・フォートレス
トライダー・シャトルとトライダー・コズミックを合体させたもの。現場への移動形態。
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新型トライダー・フォートレス
防衛省が費用を負担して、シャトルを改造・強化した。しかもこの後、弾薬代が宇宙防衛省持ちになった。
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柿小路梅麻呂
竹尾ゼネラルカンパニーの専務取締役。会社全般の運営を事実上預かっている、社員の信用篤いベテラン。やや気の弱い所もあり、いささか頼りない観もあるが、忠誠心と責任感は人一倍。命がけの行動に出ることもある。
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厚井鉄男
竹尾ゼネラルカンパニーの常務取締役。技術担当責任者で、メカの整備と修理を一手に引きうけている。シャトルでは操縦運行も担当。
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木下藤八郎
竹尾ゼネラルカンパニーの営業担当係長。お調子者で太鼓持ち気質なところは、いかにも営業向きだが、少々気の弱い所もある。しかし、根は真面目で熱血な一面もあり、ムードメーカーの才は天下一品。
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砂原郁絵
竹尾ゼネラルカンパニーの経理事務担当で会社の紅一点。総務一般も受け持つ。ワッ太にとってはお姉さん的存在。時には芯の強いところも垣間見せ、社員の信頼も篤い。お料理上手。
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竹尾道太郎
竹尾ゼネラルカンパニーの創立者で先代社長。ワッ太の父親。強い意志と篤い人情、誠実をモットーとする広い懐を持った男。不運にも事故により他界。
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竹尾加代
ワッ太の母。家の敷地の一部で託児所を開いており、近所の子供たちを預かっている。芯のしっかりとした、いわゆるお袋さんタイプの女丈夫。
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竹尾サチ子
ワッ太の妹。普段は歳相応に、おしゃまでちゃっかりした少女だが、芯はしっかりとしていて、暴走しがちな兄を叱咤したり、時には兄をもうならせる強さを見せる。
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竹尾しげる
ワッ太の弟。ちょっと引っ込み思案で、兄とは正反対で気の弱い所を持つ。
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6年2組の生徒たち
ワッ太の級友。左からワッ太の親友アキラ、ワッ太の恋敵で大企業令息の健一、小柄な中村新吉、ワッ太、かおる、洋平。
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大門先生(左) 三重子先生(右)
ワッ太たち6年2組の担任三重子先生と、なぜか何かと2組に顔を出す1組の担任大門先生。最終回で婚約する。
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オンドロン
地球支配担当。オンドロン・ユニバーサル研究所という企業をかくれみのに、入念に地球と太陽系を調査し、密かに侵略を進める。
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オンドロン要塞
一応はオンドロン・ユニバーサル研究所のオフィス宇宙船ということになっているが、実際にはメカロボットの基地である。
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ザクロン
本星の皇帝直属司令官。オンドロンの地球支配がコンピュータの指示通りに進まないのは、彼らが無能すぎるからだと考えている。
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クラード(左) ナバロン(梅本)(右)
副官クラードの手引きで帝国を逃れたナバロンは、竹尾道太郎に命を救われ、地球人「梅本」としてトライダーを作成。
太陽系全体に広く開発気運が高まる時代。宇宙は特別な場所ではなく、多くの人々の働く場所だった。そこに次々と現れ、破壊活動を行う謎の怪ロボット。防衛軍だけでは防ぎきれない被害を食い止めるため、トライダーG7は今日も行く。
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今まで宇宙にしか現れたことのなかった怪ロボットが、初めて地球に現れた。2代目攻撃隊長ズルチンの乗るチェンダムだ。
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ロボット帝国の4代目攻撃隊長ジャッカルは、マカロニウエスタン風の衣装をまとった早撃ちの名手。
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5代目攻撃隊長ジルバは、ロボット帝国随一の美女らしい。妖艶だが冷酷な性格で、目からキュービームを放つ。
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ジルバが自ら搭乗する美しいメカロボット、クイーン・アテナス。電撃を発するムチなどの必殺兵器でトライダーを追いつめる。
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かつてザクロンに「ナバロンに劣る」と言われたことに、ロボット開発主任のクラードは今も密かに敵愾心を燃やしつづけていた。
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トライダーをナバロンの設計と看破したクラードは、自分の技術の優秀さを証明するために自らロボットに乗りこみ、勝負を挑む。
ワッ太たちの町は、河川沿いの住宅街だが、ワンブロック向こうからはビル街が広がっている。日常的な街角風景の丁寧な描写が、宇宙からの侵略に立ち向かう話にリアルさを与えている。
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専務の身体を心配するワッ太は、第1話の頃から「バイクぐらい買おうよ」と言いつづけているのだが、柿小路専務は遂に最終回まで、犬のジョナサンとともに古い自転車で走りつづけた。
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見合いの席に大門先生を連れていった三重子先生。やきもきしながらももう一歩が踏み出せない大門先生。はたして二人の恋路は?
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第1話のきつねうどんに始まり、シャトル内では、宇宙での移動中におやつを食べるシーンが多い。ちなみに調理は郁絵ちゃんの担当。
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仕事の依頼のわずかな隙の時間に、国際ロボット見本市に参加し、各国のロボットと技量を競うトライダー。しかし、この決勝戦のレースには、ロボット帝国が罠を張っていた。
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オンドロンの上司ザクロンがついに太陽系に。地球人に対しコンピュータ・シグマの作戦が万全でないことを訴えるオンドロンだが、ザクロンはそれを彼の無能と決めつける。
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オンドロンの無能ぶりを証明せんと、自ら自分の姿を象ったロボットで出撃するザクロン。しかし彼すら、信じるマザーコンピュータ・シグマの作戦を遂行できなかった。
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ロボット帝国は地球征服を諦めた。最終回、ワッ太たちは中学の制服を着て、卒業式に臨む。一方、大門先生は三重子先生にやっとプロポーズを果たす。
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運用3周年を記念して、トライダーを掃除し、飾りつける社員一同。普段ここは児童公園になっており、発進時にはアナウンスが流れる。
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健一は、アキラを物で釣って投手交代し、ワッ太に投げ勝とうとする。子供同士の生活を丁寧に描く本作ならではのシーン。
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社長室には社訓が掲げられている。
一、信用は宝なり
一、誠実は金なり
一、忍耐は花なり
一、努力は実なり
一、忠義は 心なり -
畳とガラス障子に木製ドアなど、宇宙時代でありながら竹尾家には、昭和の木造民家の暮らしが息づいている。
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オープニングのワッ太たちの街。草っ原の河川敷はトライダーシャトルが置かれている場所。堤防沿いの公園がトライダーを格納している公園で、その奥が竹尾ゼネラルカンパニー社屋。
宇宙時代の物流と一続きになった下町の生活感
下町が舞台とはいえ、この物語は宇宙時代に突入しているので、怪ロボットが宇宙農場や宇宙工場、そこと消費者をつなぐ航路を荒らしたため、生活必需品が品不足になるといったことが社会のそこかしこで起こっている。ワッ太たちの同級生にも八百屋の子がいて、宇宙の農場から野菜が入ってこなくてこのままでは店を閉めなくてはならないというエピソードがある。子供の世界は社会と一続きにつながって、小学生の交際範囲の中にすらトライダーが戦う必然性が描かれている点が、この作品の特徴だ。
「最終決戦」のない斬新なラスト
第49話でトライダーに敗退したザクロンは、コンピューターの計画を狂わせる地球人を恐れた。そして次の最終話で本星に戻り、「地球および太陽系には侵略価値がない」と嘘をついて今後近づかないようマザーコンピュータ・シグマに進言する。かくしてワッ太たちは侵略者との最終決戦を行うことなく、いつの間にか侵略は止み、出動依頼もなくなる。当時のロボットアニメの基本パターンからすれば、派手な最終決戦もなく敵が勝手に侵略を諦めたために平和が手に入ったというラストは一風変わったものだった。