スチームボーイ

3DCG技術で細密描写の限界に挑戦

【ストーリー】
1866年、科学技術が目覚ましく発展したビクトリア女王の時代。英国マンチェスターの少年レイは、技師である父や祖父に憧れる小さな発明家。父と祖父は、そろって米国のオハラ財団に雇われ渡米中。そんな留守宅に、祖父からの荷が届く。「手違いで送られてしまった」とオハラ財団の使いが回収に来たが、祖父の荷物には「財団に渡すな」と添え書きがしてあった。レイは荷物を手に、手製の蒸気一輪車で逃走する。

【解説】
蒸気機関全盛期の19世紀中盤の英国を舞台に超蒸気機関とでも呼ぶべき「スチームボール」という発明をめぐって巻き起こる物語。蒸気機関で空を飛ぶ「スチーム城」で、ロンドンを大混乱に陥れる父エドワード。その父を含めすべてのキャラクターが善悪両面を持ち、レイを助ける祖父のロイドも、単なる善人ではない。明らかな対立構造のない中、主人公のレイが自分で考え、自らの正義を貫くために奮闘する姿を描いた冒険活劇。

善の中の悪、悪の中の善を描き分けられる精彩な描写のキャラクターたち。キャラクターの衣装は、19世紀英国のものを忠実に再現している。

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  ジェームス・レイ・スチム

  マンチェスターに住む発明少年。代々続く技術者一家に生まれた。正義感と家族愛が強いまっすぐな性格。

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  スカーレット

  武器商人で財を成した米国オハラ財閥の令嬢。ワガママで利己主義。なぜかスチーム城に囚われたレイのことを気に入り、連れ回す。

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  スチーブンスン博士

  王立科学協会の高名な学者。数々の発明品を世に送り出した。しかし、現在は政治向きの活動が多く、軍部や政治家と繋がっている。

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  ジェームス・エドワード・スチム

  レイの父。スチームボールを使い飛行する、スチーム城を建造した。奇想の技術者として、スチーブンスンが敵視する男。

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  飛行兵

  オハラ財団の最新兵器を装備した兵士。空を飛び爆裂弾を落とす。

スチームボールをめぐる争奪戦に巻きこまれたレイ。誘拐され、連れていかれたスチーム城は、父のエドワードが取りしきっていた。しかし、何故かレイは父の言葉を信じられない。

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  祖父からの届け物は、謎の黒い球体だった。しかし、それを回収に財団の男たちが来訪。

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  力づくで球体を奪おうとする男たち。レイは手製蒸気一輪車で、財団の蒸気戦車から逃走。

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  高名な技師スチーブンスンに助けられたレイ。だが、財団の手先にさらわれてしまう。

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  スチーム城の虜となったレイ。オハラ財団の令嬢スカーレットは、彼に興味を持つ。

科学技術を弄ぶ死の商人たちの陰謀

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  スチーム城の一室に幽閉されていた、祖父のロイド。自力で脱出して、城の破壊を試みる。

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  各国の軍人を集め、武器商人オハラ財団は新作兵器の実演を行う。相手はスチーム城に不穏な動きを察知して集まった、ロンドン警察や軍隊。蒸気兵部隊が、英国軍を蹴散らす。

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  スチーム城の操作卓に就くエドワード。ここから、巨大な城のすべてを操ることができる。

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  スチーブンスンの助手デイビッド。師を見限り、レイと新工房を起こそうと画策する。

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  スチームボールを利用して簡易飛行装置を組み立てたレイは、空からスチーム城へ向かう。

未来を作り出す少年少女が空を飛ぶ

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  スチーム城を止めなければならない。ロイドは、息子のエドワードに銃を向ける。

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  銃を見ても怯まぬエドワード博士。圧倒的な技術力で周囲を平伏させることを夢見ている。

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  蒸気を下に吹きつけて浮上するスチーム城。ロンドンの街はパニック状態に陥る。

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  操作卓にあった脱出装置で、スカーレットとともに脱出するレイ。スチーム城はテムズ川に沈み、危機は去った。凍りついた蒸気は、わずかなショックで壊れて、消えてしまった。

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  スチーム城の蒸気圧タンクを全解放。断熱膨張で、拡散する蒸気が凍りついてゆく。

映画を作るにあたり用意された、イメージボード、ストーリーボードの数々。一世紀半前のイギリスの文化・習俗が、極めて細密に描かれている。

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  技師の執務室。当時の技師は着想から実製作まで行うため、図面用デスクと作業台がある。

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  スチームボール。超高圧を封じこめており、普通の蒸気機関に組みこむと破壊してしまう。

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  蒸気噴射で飛行するスチーム城。全機能作動には、3つのスチームボールが必要になる。

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  蒸気が凍るシーン。テムズ川を中心に発生した蒸気が、ロンドンの中心部で凍っている。