©森岡浩之・早川書房 Ⓒサンライズ
作品名 | 星界の断章 “誕生” |
作品名 (ひらがな) | せいかいのだんしょう たんじょう |
Title (英語表記) | PASSAGE OF THE STARS BIRTH |
放送日 | 2000年4月7日 |
話数 | 全1話 |
スタジオ | 第5スタジオ |
関連リンク | https://www.sunrise-inc.co.jp/seikai/03/ |
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キャスト
ドゥビュース/鈴置洋孝
プラキア/高島雅羅
ジント・リン/今井由香
ラフィール/川澄綾子 -
スタッフ
企画/渡辺 繁(バンダイビジュアル)、植田益朗(サンライズ)
脚本/村上ヒロアキ
原作/森岡浩之(ハヤカワ文庫刊)
ビジュアルコンセプト/赤井孝美、江田恵一(ナインライブス)
キャラクターデザイン/渡部圭祐
メカニックデザイン・作画監督/筱 雅律
美術監督/岡田有章
色彩設計/横山さよ子
撮影監督/白井久男
編集/瀬山武司
音響監督/小林克良
オープニングテーマ・音楽/服部克久
監修/長岡康史
監督・絵コンテ・演出/鍋島 修
プロデューサー/海部正樹(WOWOW)
岩田幹宏(サンライズ)
杉田 敦(バンダイビジュアル)
積 惟文(ビースタック)
もう一つの「星たちの眷属」
【ストーリー】
交易船ローマセルで辺境の領域を訪れたアーヴ貴族のドゥビュースとプラキアは、そこで難破した太古の恒星間宇宙船を発見する。調査を進める二人を乗せたまま突然動き出した難破船の中には、アーヴ独特の頭環を身につけたミイラが大量に眠っていた。この船はかつて太陽系を出発し、任務を果たすことも帰還することもなく、帝国を築く以前に消えていった、アーヴの遠い先祖たちの船だったのだ……。
【解説】
星界シリーズの外伝的な短編作品群『星界の断章』より、同名の作品を原作にした短編。恒星間宇宙船の作業用生命体として人工的に創造されたアーヴという種族の誕生と、『星界の紋章』『星界の戦旗』の一方の主人公であるラフィールの誕生といった、作品世界の根幹をなす部分を描いた作品である。
星界シリーズの外伝である本作は、物語の大半がラフィールの父親であるドゥビュースとその恋人でラフィールの遺伝子提供者であるプラキアの二人のみによって展開されている。
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ドゥビュース
帝国を支配する一族アブリアルの一員でクリューヴ王家の当主。しかし現在は星界軍を離れ、恋人のプラキアと二人でローマセルで交易業に従事している。
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プラキア
ドゥビュースの相思相愛の恋人で、このエピソードを通じてラフィールの遺伝子提供者となる女性。軍に戻ることを考えており、後にゴースロス艦長となる。
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ラフィール
プラキアを遺伝子提供者に持つドゥビュースの娘。修技生時代にプラキアの指揮するゴースロスに配属されるが、その時点では彼女が遺伝子提供者と知らない。
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ジント・リン
後にラフィールと出会い、ともに苦難を乗りこえていく地上世界出身の少年。その苦難の中で彼とラフィールは、深い友情と愛情とを育んでいくことになる。
アーヴによる人類帝国、その辺境に位置する領域。そこに眠っていた難破船にはアーヴという種の誕生にかかわる悲劇が隠されていた。ドゥビュースたちは、その悲劇を目撃する。
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難破船の内部で、与圧兜を外すプラキア。船内の大気は呼吸可能な状態だが、放射線にさらされていたため無菌状態になっていた。
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必要な最後の爆薬を仕掛けるドゥビュース。ローマセルとは目視可能な至近距離にあり、結果的に非常に危険な作業となる。
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難破船に爆薬を仕掛け、軌道変更を試みるプラキア。アーヴは宇宙船を操る種族であり、このような乱暴な手法も行うこともできる。
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難破船の内部。その構造はドゥビュースに懐かしさを感じさせるが、それは帝宮の中核に似た構造を持っていたためだった。
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まだ生きている難破船のコントロールには帰還用のプログラムが入力されロックされていた。遠い未来になる、帰還を目指して。
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出発時に太陽系を見つめるアーヴたち。数多くの恒星間宇宙船がこの星系を飛び立ち、さまざまな運命をたどったが、再びこの恒星系へと舞い戻ってきたものはほとんどなかった。
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難破船からローマセルに飛び移る間にドゥビュースはプラキアに告白する。「そなたの遺伝子が欲しい」と。そして二人は後にした難破船と星霧を見つめ、帝都への帰還を決意する。
ドゥビュースが交易の合間に提案した寄り道の先は、星霧。かつて恒星だったこともあるこの天体は、アーヴには星の屍とも、あるいは新たなる星の源とも生命の源とも評される領域である。この領域で出会った2隻の船が、本作の主要な舞台となる。
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ドゥビュースとプラキアが乗り込む交易船ローマセル。乗員は二人のみで決して大型の船ではなく、難破船よりも大幅に小型である。
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出発当時の難破船。帝宮の中核となった恒星間宇宙船アブリアルの当初の姿と類似した船で、比較的近い時代のものである。
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発見時の難破船。乗員こそ遠い昔に死亡しているものの完全に機能を停止しているわけではなく、調査中に一部機能が復活している。
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ミイラ化した難破船の乗員の死体。額にはアーヴ独特の空識覚器官があり、器官に情報を送りこむ頭環も装着されたままだった。