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作品名 | 白い牙 ホワイトファング物語 |
作品名 (ひらがな) | しろいきば ほわいとふぁんぐものがたり |
放映日 | 1982年5月5日 |
話数 | 全1話 |
スタジオ | 白い牙班 |
主題歌 | OP・ED 「白い牙 ホワイトファング物語」 歌/小室 等 |
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キャスト
ミトサァ/田中真弓
グレー・ビーヴァ/本郷 淳
ウィードン・スコット/納谷悟朗
ビューティ・スミス/小松方正
スリー・イーグル/梶 哲也
ティム・キーナン/阪 脩
老人/槐 柳二
トム/沢 りつお
保安官/沖恂一郎
クーチ/丸山裕子
少年A/永井寛孝
少年B/安西正弘
少年C/上山則子
メアリ・スコット/佐藤雅子
アリス・スコット/小宮和枝
スコット判事/熊倉一雄
ナレーター/檀 ふみ -
スタッフ
原作/ジャック・ロンドン
「WHITE FANG」より 鈴木美紀子 訳
脚本/萩原市郎
キャラクター デザイン/安彦良和
美術/宮本清司
舞台設定/中村光毅
作画監督/二宮常雄
音響監督/田代敦己
音楽/小室 等
演出/横山武幸
監督/吉川惣司
プロデューサー/渋江靖夫
忠隈 昌(TBS)
スリークォーター狼、ホワイトファングと少年ミトサァの絆を描いた感動作
【ストーリー】
舞台はゴールドラッシュ開拓期のアラスカ。アメリカ先住民族の少年ミトサァは、森から平野に出てきた一頭の仔狼を拾う。ホワイトファングと名づけられた仔狼は、ミトサァと絆を深めながら飼い犬として成長していくが、ある日、犬買いの手にだまし取られ闘犬にされてしまう。過酷な暮らしで、野生の狼のように凶暴になってしまったホワイトファング。ミトサァとの心温まる日々を取り戻すことはできるのか。
【解説】
大自然とそこに暮らす動物や人々の姿を生き生きと描写したアメリカの自然社会作家ジャック・ロンドンの傑作小説を90分TVスペシャル番組用にアニメ化。少年ミトサァとホワイトファングとの絆の物語として再構築され、子供から大人まで楽しめる作品となっている。
アラスカの自然の中で、それなりに豊かに暮らしていたインディアンたち。しかし新たな入植者たちによってその生活は脅かされ、変化せざるを得なくなる。主人公のミトサァとホワイトファングもまた、入植者との関わりで運命が大きく揺らいでいく。
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ミトサァ
アラスカインディアンの少年。犬が大好きで自分の犬を欲しがっているときに、ホワイトファングと出会い、飼うことになる。
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ホワイトファング
そり犬と狼のハーフの母親から生まれた3/4狼。特徴的な額の傷は子犬時代に山猫に襲われてついたもの。
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ホワイトファング(仔犬時代)
同時に生まれた兄弟の中でも、最も好奇心旺盛だった。ミトサァに拾われた後に、ソリ犬として訓練されていく。
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グレー・ビーヴァ
厳しいアラスカの大自然の中で、力強く働き生きるミトサァの父親。幼いミトサァを残し事故が原因で死んでしまう。
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父狼
ホワイトファングの父親。家族が山猫に襲われたのを知り駆けつけるが、以来姿を消してしまう。
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母狼
ソリ犬と狼とのハーフ狼。元々はグレー・ビーヴァにソリ犬として飼われていた。
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インディアン
ミトサァの村の住人と子供たち。厳しい自然の中、へこたれず生活している。ネイティブ・カナディアン、ファースト・ネイションとも称す。
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ウィードン・スコット
正義感あふれる鉱山技師。ミトサァとホワイトファングを救い、新たな生活を提供する。
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ビューティ・スミス
闘犬の興行師。だまして手に入れたホワイトファングを凶暴な闘犬に調教していく。
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スコット判事
ウィードンの父親でアメリカ合衆国の判事。かつてビューティ・スミスを裁いたことがある。
アラスカの大自然、動物、そして人間。すべてがていねいに描かれ、ケレン味のない作りが主人公たちの心情を鮮明にし、感動をより深くしている。また、狼や子供たちの表情が生き生きしていて生命力にあふれた作品となった。
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その年の春、生まれたばかりの混血狼の仔は、巣の外の光をまぶしそうに見つめていた。
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仔狼が巣から出てしまった間に、山猫が襲撃。兄弟たちはその牙にかかってしまう。
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母親も傷つき、仔狼も山猫に一人立ち向かったが、額に深い傷を負ってしまう。
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ある日、母親と離れて行動していた混血狼の子はミトサァと出会う。
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仔狼はホワイトファングと名づけられ、狼としてではなく、飼い犬としての躾を受ける。
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ホワイトファングは犬買いに取られ、父親も事故で亡くし、ミトサァはひとりぼっちに。
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犬を戦わせ賭けをする残酷な闘犬場に売られてしまったホワイトファング。
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残酷な闘犬に反対するウィードンによってホワイトファングは救われ、ミトサァと再会した。
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スミスは逆恨みからスコット判事を襲撃。それをミトサァとホワイトファングが救う。
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スコット家に引き取られたミトサァ。隣はスコットの娘のメアリー。
交通機関もまだ発達していない19世紀末〜20世紀初頭のアラスカが舞台の物語。その大自然の美しさと厳しさ、そこに生きる辛さと、喜びが活写されている。またアニメ的表現も物言わぬ狼の心を伝えるのに寄与している。
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襲いくる狼の群れ。物語冒頭でこの地の厳しさを見ている者にひしひしと伝えてくる。
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仔狼と母狼の微笑ましいシーン。写実を超えるアニメならではの表現も生きている。
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ひとりぼっちになってしまったミトサァが冬の荒野を行く。風の音が効果的に響く。
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物語の終局でホワイトファングを誘うように現れる荒野のイメージ。そこは狼の世界。