半妖の夜叉姫　弐の章

新たな力を手にした娘たちの逆襲―― 。
夜叉姫（やしゃひめ）の使命が、今明かされる！！

【ストーリー】
殺生丸（せっしょうまる）の娘で、現代育ちの日暮（ひぐらし）とわは、戦国時代に戻り、双子の妹・せつなの失われた記憶を取り戻すため夢の胡蝶（ゆめのこちょう）を探していた。その夢の胡蝶に関わると思われる獣王・麒麟丸（きりんまる）の姉・是露（ぜろ）は、弟を倒すと予言された半妖（はんよう）を敵視し、とわたちを倒そうと画策する。
とわとせつなは、大妖怪の殺生丸を父に人間のりんを母に持つ半妖の少女たちであり、とわたちの仲間になったもろはも、半妖と人間の間に生まれた四半妖（しはんよう）で、犬夜叉（いぬやしゃ）とかごめの娘だった。是露は、とわたちが生まれた直後から、三人の命を狙っていたのだが、とわは現代に送られ、せつなは半妖の里へ身を寄せ、もろはは妖狼族（ようろうぞく）の元で庇護され、生き延びたのだ。
犬夜叉とかごめは、十四年前に麒麟丸との戦いに巻き込まれ、黒真珠（くろしんじゅ）に隠された犬の大将（いぬのたいしょう）の墓に送り込まれてしまっていた。
半妖ながら見事にその力を発揮するとわとせつなともろはに対し、麒麟丸も本気で立ちはだかる。しかし、その戦いで、せつなは麒麟丸に倒されてしまう。
深く悔いるとわの前に現れた殺生丸は、天生牙（てんせいが）を渡し、「試してみるか？」と問いかける。
しかし、癒やしの刀と呼ばれ、ひと振りで百の命を救うという天生牙は、その刃を折られてしまっていた。
折れた天生牙に何が出来るのか？　失われたせつなの命を呼び戻すことは出来るのか？
雨の中で佇むとわが見出す答えとは……？ ※犬の大将：殺生丸と犬夜叉の父

【解説】
高橋留美子原作の大人気コミック『犬夜叉』の、世界観を受け継ぐ作品。『犬夜叉』の登場人物である殺生丸の双子の娘、とわとせつな、犬夜叉とかごめの娘、もろはをメインキャラクターとした新しい物語。
壱の章では、とわ、せつな、もろはが獣王・麒麟丸と激突し、せつなが命を落としてしまった。せつなの死をはじめ、多くの課題と謎を残して幕を閉じた壱の章。その続きを描くのが今作の「弐の章」である。

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  日暮とわ

  殺生丸とりんの娘でせつなの双子の姉。14歳の中学生。殺生丸が、半妖を敵視する是露から逃すため、赤子のとわとせつなを邪見（じゃけん）の結界で護られた森に隠した。とわは4歳の時、是露が仕組んだ火事に巻き込まれ、せつなとはぐれてしまい、時代樹（じだいじゅ）のトンネルで戦国時代から現代にタイムスリップ。かごめの弟の日暮草太に助けられ、日暮家で育つ。タイムスリップから10年後、現代にやってきたせつなともろはと出会い、せつなの夢と眠りを取り戻すため、戦国時代に戻った。

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  せつな

  殺生丸とりんの娘で、とわの双子の妹。14歳。冷静沈着で物事に動じない様は父譲りだと思われる。琥珀（こはく）がお頭を務める妖怪退治屋に参加し、妖怪退治を生業にしている。4歳の頃、森の火事でとわと別れ別れになったが、10年後、もろはと共に現代にタイムスリップ。とわと再会する。しかし、夢の胡蝶に眠りを奪われたため、幼い頃の記憶がない。とわが姉だと言っても信じなかった。とわともろはと共に、戦国時代に戻ったが、獣王・麒麟丸との戦いで命を落としてしまう……。

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  もろは

  14歳の賞金稼ぎ。妖刀・倶利伽羅丸（くりからまる）の使い手。通り名は「化け殺しのもろは」。祖母・十六夜（いざよい）の形見の貝の器に入った紅を差すと『国崩（くにくず）しの紅夜叉（べにやしゃ）』となって大暴れする。性格は明朗快活。せつなやとわと比べると一番世間慣れしている。犬夜叉とかごめの娘だが、赤子の時に妖狼族に預けられたため、両親のことはほとんど知らない。師匠・凱風（やわらぎ）の借金を返すため、妖怪退治をしては、その獲物（妖怪の賞金首や残骸）を、取引する屍屋獣兵衛（しかばねやじゅうべえ）に売っている。

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  琥珀

  翡翠（ひすい）の叔父。妖怪退治屋のお頭。子供の頃は殺生丸のそばにいたことも。せつなを妖怪退治屋に迎え入れた。

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  翡翠

  弥勒（みろく）と珊瑚（さんご）の息子。妖怪退治屋の一員として、せつなやとわたちと連携する。珊瑚が使っていた飛来骨（ひらいこつ）の使い手。

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  雲母（きらら）

  琥珀たちになついている猫又。普段は子猫サイズだが、炎を吹いて変化すると人が乗れる大きさに。空も飛べる。

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  竹千代（たけちよ）

  妖怪の賞金首や残骸などを商う「屍屋」で働く子狸妖怪。まんまる変化姿（中央）で宙に浮ける。巨大な飛行姿（右）では笠が亀の甲羅状になり皆を運ぶ。

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  犬夜叉

  妖怪の父、人間の母を持つ半妖。四魂の玉を巡る奈落（ならく）との戦いに勝ち、戦国時代に戻ってきたかごめを迎えた。

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  かごめ

  犬夜叉を言霊で抑える事ができる、唯一の人間。高校卒業後、戦国時代に戻り、犬夜叉と夫婦になった。

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  殺生丸

  犬夜叉の腹違いの兄。完全な妖怪。誇り高く冷酷。父の牙の妖刀・天生牙と、自身の妖刀・爆砕牙（ばくさいが）を持つ。

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  りん

  天生牙で命を救われ、殺生丸と行動を共にしていた人間の娘。今は時代樹の透明樹木の中で眠りについている。

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  理玖（りく）

  麒麟丸の角から生まれた分身。耳飾りの刀は、弾くと実剣に変化し武器となる。

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  麒麟丸

  犬夜叉と殺生丸の父・犬の大将と並び立つ獣王。東の地を治めていた。時代樹の精霊が夜叉姫たちにその退治を頼んだ。りおんの父。

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  是露

  麒麟丸の姉。人間と半妖を嫌っている。妖力を失っているが、怪しい術を使う。

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  りおん

  麒麟丸の娘。600年前から産霊山（むすびやま）の結界の中に封じ込められている。夜叉姫たちと出会い、運命が大きく動く。

受け継がれし血の宿命（さだめ）

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  麒麟丸との戦いでせつなが命を落とした。

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  殺生丸から、折れた天生牙を渡されたとわ。妖気の刀身を作り出し、せつなを救う！

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  刀々斎が、せつなの腕の『血刀（ちがたな）』にふさわしい『所縁（ゆかり）の断ち切り』を与えた。因縁を持つ者の『縁（えにし） 』の糸を切ることができる。

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  『産霊山』に立つ『妖霊樹（ようれいじゅ）』から掘り出される『吸妖魂（きゅうようこん）の根』を探しに来たとわたちは麒麟丸の娘・りおんに出会う。打倒麒麟丸を掲げる彼女は、妖力を無尽蔵に吸い込み吐き出すことのできる究極の武器となる『吸妖魂の根』から作られた『星斬り（ほしきり）の笛』をとわに渡す。

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  『星斬りの笛』をとわが吹くと、星の神様が授けたという二本の剣の一つ『斬星剣（ざんせいけん）』が現れる。パワーアップしたとわは、強力な一撃『双頭の蒼龍破（そうりゅうは）』を繰り出す。

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  十四年前、殺生丸が不在の隙に是露がりんにかけた『銀鱗（ぎんりん）の呪詛（じゅそ）』は、銀の鱗に全身を覆われると死んでしまうという呪いだった。さらに是露は、りんと『縁』を結び、自分が死ぬと道連れになるように仕組んだ。殺生丸は、犬夜叉とかごめが是露を倒してしまうとりんが死んでしまうため、黒真珠に二人を閉じ込めたのだ。

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  邪見は時代樹の精霊から、りんの近しいものに『夢の胡蝶』の蛹を取り付けると『銀鱗の呪詛』の進行を遅らせることができると聞き、森の火事でとわと生き別れになった幼いせつなの首筋に取り付けたのだった。せつなは、りんに夢と眠りを与え続けていたため、眠ることも夢を見ることもできなかったのだ。

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  是露との縁を『所縁の断ち切り』で斬ろうとするせつなを止めるりん。りんは、とわと是露を救って欲しいと何かをせつなに託す。

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  りんがせつなに渡したのは、小さいせつなにはあまりに酷で返すことができなかったという、『夢の胡蝶』がりんに与えていたせつなの記憶だった。とわとせつなは、姉妹の絆を取り戻した。

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  そして、是露と犬の大将の『縁』をせつなが『所縁の断ち切り』で切ったことで、是露はりんとの『縁』の糸を解き、思い残すことなく成仏した。

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  殺生丸は、もろはに黒真珠を手渡し、犬夜叉とかごめが中にいると教えた。

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  とわとせつなと共に黒真珠からあの世とこの世の境に送り込まれたもろはは、両親・犬夜叉とかごめと遂に再会を果たす。

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  殺生丸の手元の天生牙が、 「来てくれ」と念じるとわの元へ現れる。壇上に刺さった天生牙を夜叉姫三人が力を合わせて抜き、あの世とこの世の境から脱出した。

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  時代樹の精霊に、現代の地上へ墜ちてくる『妖霊星（ようれいせい）』を止めるよう依頼されたとわとせつなは、もろはとともに時の精霊・阿久留（あくる）の力で令和の時代へタイムスリップ。

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  麒麟丸の右腕は、かごめが戦国時代にタイムスリップするときに通っていた『骨喰い（ほねくい）の井戸』に捨てられ、令和の時代で希林理（きりんおさむ）として生きていた。人間を愛する希林は、麒麟丸がこじ開けた時空の裂け目を通り、『縁』が繋がった『妖霊星』を妖怪が蔓延る戦国時代に持っていく。

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  令和の時代に残された夜叉姫たちは、阿久留の力で戦国時代に戻る。

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  戦国時代では、希林理が、りおんをそそのかし、父・麒麟丸を止めるために手に入れた『吸妖魂の実』を『妖霊星』に与えてしまった。そして希林理は、『妖霊星』から羽化した『妖霊蝶（ようれいちょう）』に、りおんを取り込ませた。

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  りおんを救うため、『妖霊蝶』に乗り込むとわたち。そんな彼女たちの前に希林理が立ち塞がる。

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  最強をかけて殺生丸に戦いを挑む麒麟丸。しかしその闘いの中、麒麟丸はりおんを失った本当の原因に気付くが……?

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  犬夜叉やかごめたちも結集した最終決戦、果たしてとわたちはどうなる?

タイムスリップ戦国御伽草子、半妖の夜叉姫！

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  時代樹の異空間
  りんが、是露にかけられた呪い『銀鱗の呪詛』の進行を遅らせるために眠っている透明樹木のある場所。『夢の胡蝶』が、せつなの夢と眠りをりんに運ぶ。

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  時の風車（ふうしゃ）
  空の上にある殺生丸の母の住まいから見える風車。精霊・阿久留に選ばれた者は、『時の風車』の時空の扉を開いて時空を渡ることができる。阿久留を視認できるのは、犬の大将の一族のみで、それ以外の者は阿久留の持つ風車（かざぐるま）の音を聞くことしかできない。

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  妖霊蝶
  『妖霊星』は、500年に一度現世に近づくほうき星。令和の時代に現れたが、希林理が戦国時代に運んだ。希林理に嘯かれたりおんが『吸妖魂の実』を与えたことで、『妖霊星』の蛹から『妖霊蝶』が羽化した。