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2022.09.15

【第49回】高橋良輔監督旅行記「飛行機雲に誘われて」

 

飛行機雲に誘われて……その49

 この項が出る頃は中国のお正月『春節』の真っただ中、新型コロナウイルス騒ぎはどうなっているのだろうか。なんせ中国人の海外観光の一番人気はこの日本だというのだから心配だ。あたしらもここのところ中国とは浅からぬ付き合いが続いている。遠からずまた彼の地に行く用事が控えている。新型ウイルス騒ぎの震源地『武漢・ウーハン』は前回まで話題にしていた南京から4~500キロぐらい西にある大都市である。ここにも今年の前半に行く予定がある。テレビや新聞で"武漢"の文字を目にするとつい引付けられてしまう。人民中国よ、こういう時こそ国家の力を見せつけて欲しい。
 中国人の観光人気の第一は日本と書いたが、あたしらには実感がある。あたしらの大阪での定宿は環状線の天王寺駅近くにあるのだが、10年ほど前の外国人泊り客で目立っていたのは韓国人だった。それがちらほら中国人が混ざるようになり、今ではほとんどが中国人ファミリーである。新婚カップルもいれば幼子を連れたご夫婦も、またおばあさんを交えた三世代家族も泊まるようになった。なぜかお爺さんはいない。ここらあたりは日本の家族旅行と共通している。男が古くなるとちょっと悲しい。
 上から目線で言うのではないが、泊り客のマナーはこの数年でガラリ一変! ついこの間までは30メートル離れていても、あれは中国人と分かったものだ。まず声が大きい、動きが速い、扉は開け放したまま夜中になっても廊下をバタバタと行き来する、エレベーターの乗り降りは我先だったが、今ではあたしら老人なぞはどうぞお先にと譲られる。幼い子も身を引いて場所を開けニッコリとほほ笑んだりする。こうなるとあたしらもつい、

(いい旅を)

 なんて願ってしまう。
 さてさて、大阪の環状線に乗っているとだんぜん東京より外国人が多いように思える。次の写真を見て欲しい。


 

 写真ではしかとは判らないだろうが、ここに写っている人のほとんどが外国人である。日本人は手前右に座っているマスクの女性と立ってスマホを操っている帽子の女性だけなのだ。あたしらの観察によれば、陰に隠れているが奥の座席に座っている人たちも全て外国人であった。念のため言えば中国人だけではない。


 新大阪の新幹線のホームである。乗客の列を眺めながらその後ろに付いたが、並んでいる乗客の8割が外国人だった。

 以前は外国人の乗り降りは上りも下りも京都でのそれが多かったが、今は名古屋も浜松も静岡での乗降も多い(あたしらは『のぞみ』でなく『ひかり』を常用している)。観光なのかビジネスなのかはわからぬが、その変化は確だ。
 さてさて大学が休みに入ってしまったためしばらく大阪には足を向けなくなる。次回あたしらの二都物語は東京からお伝えする。

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