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『劇場版クラッシャージョウ』公開40周年記念上映&トークショーレポート!
3月12日(日)に東京・池袋の新文芸坐で『劇場版クラッシャージョウ』公開40周年記念上映が開催され、トークショーには原作者の高千穂遙さん、安彦良和監督、ジョウ役の竹村拓さん、アルフィン役の佐々木るんさんが登壇されました。
司会のクラッシャージョウファンクラブの駒澤さんの呼び込みでステージに佐々木るんさんが登場。「長く愛してくれてありがとうございます」という感謝のコメントの後、会場のファンと一緒に上映会でのいつもの掛け声「ワープイン!」で高千穂遙さん、安彦良和さん、そしてサプライズゲストの竹村拓さんがステージに登場!
スクリーンには40年前の舞台挨拶の写真や当時のイベントをまとめた表が映し出され、劇場公開当時の思い出を中心にトークが行われました。
アルフィンのデートウェアーの写真には「かわいい!」の声が!
司会から『劇場版クラッシャージョウ』にかかわることになった時の気持ちを聞かれると、
安彦さんは「なんで自分に話が来たのか、降ってわいた災難でしたね。原作者が厄介な男なのを重々知っていましたが、制作中は比較的穏やかでした。僕は会社に迷惑をかけないようにしていました。スタッフタイトルの短さを注目していただきたいです。この人数で長編を作ったことをいまだに自慢しています」
高千穂さんからは「アニメを任された以上、とにかく私の考えるSFにしたいというのがあって、そこだけに終始していました。試写会にも日本SF作家クラブのお歴々を招待したんです。なかでもハードSFの権化のような「宇宙塵」の柴野拓美さんが観終えた後に「ほんとにSF観させてもらいました」と言われたときにこれですべてOKと思いました」
竹村さんは「役者をやめて2年くらいたっていたので、選ばれて、その時は「嘘だろ、なんで」という気持ちがあって、プロの声優さんの中に入って仕事するというのが想像できなくて、でも恥はかきたくないので、音響監督の千葉耕市さんに週に1回出来上がったところまでの映像を見ながらお稽古をしてもらったので、みんなでリハーサルの日までにはセリフが全部入っていて、他の役者が明かりのあるところで台本をみながらしゃべっているのにるんと僕は絵を観ながら全部ペラペラしゃべっていて、周りのキャストの人たちが「あいつ全部覚えている」と話しているのを耳に挟んで、ちょっとガッツポーズをとりました。だから萎縮せずにできたので、アフレコの2日間はとても楽しい時間でした」
佐々木さんは「私はオーディションだったのですが、雑誌に掲載されたアルフィンを見てなんてかわいらしい女の子なんだろうと思って、壁にアルフィンの切り抜きを貼って、毎日このこをやりたいとずーっと願っていて、でもジョウがきまらないからなかなか決まらなかったけど1ヵ月後くらいに決まった時には本当にうれしくって「あー神様っているんだな」と思いました」
など、当時を振り返ったトークが繰り広げられました。
最後にお一人ずつコメントをいただきました。
安彦「40年もたってこうしてみんなに観てもらえるのがとても嬉しいです。
ありがとうございます。懐かしく見ていただいた方も、初めて見ていただいた方もおられると思います。過ぎてしまうと40年短いなと思いますので、皆さんも、お若い方もうかうかしていると直ぐに40年経ってしまいますからね。くれぐれもご注意願いたいと思います」
高千穂「本日は花粉渦巻く中、わざわざ来ていただき、ありがとうございます。寄る年波で色々としんどいのですが、もう少し書かせていただこうと思いますので、よろしくお願いいたします」
竹村「40年経ちました。奇跡があったらまた10年してお会いしましょう」
佐々木「4人で登壇できたのは立川シネマシティでの極音上映以来で、すごくいいイベントになったなと思っています。一つだけ皆さんにお願いしたいのは『クラッシャージョウ』はアニメ界の宝のようなキラキラした作品の一つだと思っています。だからこうして40年も長く愛してくれているのだと思います。この手作りの良さを若い人につなげてみてもらいたいと思いますので、これからも上映会があったら若い子を連れてきてください」
会場からの大きな拍手でトークショーが終了。
新文芸坐では当時のポスターやパンフレットなどの展示のほか、『クラッシャージョウ』グッズも販売されていました。