鎧伝サムライトルーパー

「和」のテイストを取りいれて描く集団ヒーローアクション

【ストーリー】
邪悪なる帝王、阿羅醐(アラゴ)に率いられた妖邪の軍勢が、人間界の支配に乗り出した。その前に立ちふさがったのは「鎧擬亜(よろいギア)」に選ばれた5人の少年たち、サムライトルーパー。熾烈な戦いの末、彼らの師である迦雄須(カオス)の命を賭した導きで阿羅醐の城に突入し、力を合わせて一度は阿羅醐を倒したかに思えた。しかし妖邪は再び出現する。鎧擬亜の秘密を追い求めるうち、阿羅醐を倒すには人の「業」を原動力とする「妖邪界」そのものを浄化するしかないと知った5人は、清き人々の想いを結集して妖邪界に戦いを挑んでいく。

【解説】
主人公の少年たちがプロテクターをまとって戦う等身大ヒーローアクションものだが、世界観に和風のテイストを盛りこみ、従来作品との差別化を目指している。ストーリー的にも随所に「鎧擬亜」の謎を散りばめたり、戦う舞台も日本各地を転々とさせるなどして、物語の起伏を作る工夫が施された。元々は男児向け作品だが、ナイーブに描かれた主人公らが多くの女性から支持され、さらに各キャラクターを演じた声優の人気も過熱。報道番組で特集が組まれるほどの話題となり、1989 年からはOVAシリーズも開始した。

現代、過去、異世界の3 つの時空を内包する舞台で活躍するキャラターたちは、歴史上の英雄たちの末裔。鎧に込められた「心」に呼応する9 人の鎧戦士が、人間側と妖邪側に分かれて戦う。その名前の多くには難しい漢字が並び、作品の世界観の特徴となっている。

サムライトルーパーと仲間たち

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  真田遼

  本編の主人公。14歳。「仁」の心に呼応する烈火の鎧戦士。真田家系統の末裔。正義感が強く、人々を守るためなら自己犠牲をもいとわぬ純粋な少年。

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  烈火のリョウ

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  秀麗黄

  14歳。「義」の心に呼応する金剛の鎧戦士。チンギス・ハーンの末裔とも言われる。楽天的で行動が先に立つ熱血漢だが、人を思いやる心は人一倍強い。

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  金剛のシュウ

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  羽柴当麻

  14歳。「智」の心に呼応する天空の鎧戦士。羽柴（豊臣）家系統の末裔。IQ250の天才。大局を見極める大人びた面と、感情に走る未熟な少年臭さの両面を持つ。

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  天空のトウマ

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  伊達征士

  14歳。「礼」の心に呼応する光輪の鎧戦士。伊達家系統の末裔。剣の達人で常に冷静沈着、嘘を嫌う潔癖な性格。一見冷淡に見えるが実は心優しい少年。

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  光輪のセイジ

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  毛利伸

  15歳。「信」の心に呼応する水滸の鎧戦士。毛利家系統の末裔。争いを好まず、普段は穏やかで面倒見がいいが、真に怒りを爆発させたときの戦いぶりは凄まじい。

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  水滸のシン

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  山野純

  家族を妖邪に拉致され、ナスティとともに戦いに巻きこまれた少年。5人の弟分的存在となる。

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  迦雄須

  5人を導く謎の雲水。1000年前、人の世にあだなす阿羅醐の鎧を砕き、正しき心を封じて浄化、鎧擬亜を生み出した。実は既に精神体。

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  ナスティ・柳生

  妖邪と鎧擬亜を研究していた柳生博士の孫娘。鎧の秘密に迫るうち、5人の鎧戦士の姉のような存在になる。

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  白炎

  鎧戦士を守護し、迦雄須とともに人の世を見守ってきた聖獣。遼につき従いながらともに妖邪に立ち向かう。

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  輝煌帝

  烈火の鎧をよりしろに発動する最強の白い鎧。人の世を庇護するために存在する三種の神器の一つで、阿羅醐に対抗しうる唯一の絶対的善の具現化。

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  朱天童子

  「忠」の心に呼応する敵鎧戦士。鬼の鎧を身に付け、悪意を力とする最強魔将。だが迦雄須と出会い、真の心に開眼する。

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  鬼魔将朱天

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  那唖挫

  「悌」の心に呼応する敵鎧戦士。毒の鎧を操る魔将で、何物をも腐食させる猛毒を発する伸縮自在の「蛇牙剣」で襲いかかる。

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  毒魔将那唖挫

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  螺呪羅

  「忍」の心に呼応する敵鎧戦士。幻術を使い、精神を蝕む攻撃を得意とする。背景に溶けこみ何処にでも潜む能力を持つ。

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  幻魔将螺呪羅

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  亜奴弥守

  「孝」の心に呼応する敵鎧戦士。黒山犬の鎧をまとう魔将で、素早い動きと暗闇での戦いを得意とする。

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  闇魔将亜奴弥守

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  妖邪帝王阿羅醐

  妖邪界の長。魔将を操り、かつて9つに分かたれた鎧を再び己の元に集め、復活を果たして妖邪界による人間界支配を目論む。

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  迦遊羅

  迦雄須一族最後の生き残り。阿羅醐配下の襲撃で妖邪界にさらわれた後、記憶を封じられ、妖邪戦士として育てられる。

遥かいにしえ、人の心に「業」が生まれたとき、同時に悪しき魂を浄化する妖邪界が生まれた。しかし、人の世の均衡が崩れた現代、悪しき魂は妖邪となってこの世界にあふれだした。人間界を守るため、正しき心を受け継ぐ鎧戦士たちが、いま目覚める。

オレの心に鎧が走る—
（キャッチフレーズ）

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  鎧擬亜の研究をしていた柳生博士。その助手をとつめていた孫のナスティだったが……。

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  不思議な予感に導かれ、白炎とともに新宿を訪れた遼の前に、突如、巨大な妖邪兵が現れた!

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  勇敢に立ちはだかる遼の前に、卑劣な妖邪兵は偶然人質となったナスティと純を引き出した。

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  烈火の鎧を武装した遼は、人を慈しむ「仁」の心を燃やして正義を守る真紅の鎧戦士。

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  烈火と光輪は再集結に向けて仲間を探す決意をする。

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  阿羅醐に＂忠＂の心を封じられていた朱天。迦雄須に出会うことで己の真の姿に目覚める。

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  巨大で異様な鎧姿の阿羅醐は、居城の奥深くから四魔将や妖邪兵を思うまま操り復活を企む。

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  「輝けるもの」として古来より伝えられる絶対の善なる命の守護者、白き鎧「輝煌帝」。

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  黒炎王と白炎は、輝煌帝の鎧と剛烈剣、それぞれを守護するために分かれた光と影だった。

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  誇り高き妖邪剣士「剣舞卿」。輝煌帝と対になる「剛烈剣」の持ち主。剛烈剣を必要とする遼たちと剣を交えた。

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  幼い日に煩悩京に捕らわれ、記憶を封じられたまま育った迦遊羅に乗り移り、その意のままに彼女を操る芭陀悶。

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  迦雄須から意志を受け継ぎ正義の戦士となった朱天は、その身を賭して、迦遊羅にかけられた呪縛を解き放った。

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  妖邪界の地霊衆を率いる「芭陀悶（ バダモン）」。阿羅醐の片腕として、宰相的な役割を果たしつつ、呪詛をも操る不気味な怪僧。

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  朱天に守られながら、妖邪界を浄化する「命の勾玉」を探し出し、危険も顧みず5人を追って妖邪界へと入った純、ナスティ。

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  阿羅醐城で巨大なその姿を現す、妖邪帝王阿羅醐。鎧戦士との力の差は歴然だが、それでも勇敢に立ち向かう遼。

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  朱天の命と引き換えに呪縛から開放され、迦雄須の錫杖と鬼魔将の鎧を引き継いだ迦遊羅は、遼たちとともに戦う戦士として開眼する。

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  絶対なる善の心が発動させる輝ける者、白き鎧「輝煌帝」。正しき者たちを守護したいと願う人の心が形になった最強の鎧だ。

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  輝煌帝を発動した遼は、ついに阿羅醐との最後の戦いに身を投じる。すべての鎧戦士から贈られた正しき心の力を、その一身に得て……。

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ついに阿羅醐は倒れ、捕らわれの人々も開放されて、人の世と妖邪界は再び分かたれた。5人の鎧戦士も普通の少年へと戻る。

現代日本を主な舞台としつつ、後半には人の心の「業」を浄化する異世界、妖邪界が登場する。複数の時空を交錯させながら、「人の心」がつむぐ観念的な世界観を描いた映像表現もまた、本作の特徴の一つだ。

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  第1話の舞台は現代の新宿。実在の街並みや建物を背にした妖邪兵との戦いは、作品世界を象徴するミスマッチ感を演出。

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  話題となった鎧装着のための「武装」シーン。色鮮やかな反物が宙を舞う画面演出は、和のテイストをかもし出している。

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  新宿上空に現れた「阿羅醐城」。現代の大都市を覆う暗雲の中にそそり立つ異形の城は、作品イメージの象徴となった。