装甲騎兵ボトムズ レッドショルダードキュメント 野望のルーツ

レッドショルダー時代のキリコを描く『ボトムズ』ＴＶシリーズの前日譚

【ストーリー】
味方にさえもその全貌が明らかにされない謎の特殊部隊レッドショルダー。キリコ・キュービィーはその本拠地、惑星オドンに転属する。だがそこは基地とは名ばかりの、過酷な生存競争を強いる異様な惑星だった。この不気味な惑星で、キリコは失った過去を取り戻そうとするのだが……。

【解説】
主人公キリコのTVシリーズ以前の物語を描いた作品。OVA『装甲騎兵ボトムズ　ザ・ラストレッドショルダー』に登場した、特殊部隊レッドショルダーの創設者ペールゼンが見出した、死なない戦士キリコ（異能生存体）への妄執を物語の軸とし、キリコの秘密の一端が明かされる。

ペールゼン大佐は異能生存体を探すため、メルキア軍兵士の戦歴データを可能な限り収集し精査を行った。調査に引っかかった者はレッドショルダー隊に編入させられ、実弾を使った選抜という名の殺しあいを強いられるのだ。

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  キリコ・キュービィー

  ある種の神経症を患っており、10歳以前の記憶を喪失している。異能生存体との疑いを持たれ、ペールゼンによってオドンに送りこまれた。

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  バージル・カースン

  キリコと同じ輸送機でオドンに転属した男。実は軍中央がレッドショルダーの秘密を暴くために送りこんできたスパイである。

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  ヨラン・ペールゼン

  「最強の兵士」による部隊の創造を目論み、腹心のリーマンとともにレッドショルダーを創設した。“地上最強の軍隊”を作ろうとした。

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  スコープドッグ訓練機

  選抜訓練などに用いられる単色に塗装された機体。訓練は実弾で行われ、失敗はそのまま死を意味した。キリコの機体は５号機。

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  スコープドッグ・ターボカスタム

  レッドショルダー隊が好んで用いる性能向上機。脚部にジェットローラーダッシュと呼ばれるロケットエンジンが仕込まれており、高速性を誇る。

百年戦争後期、膨大な資材と人材の補充を繰り返しながら詳細を機密にしているレッドショルダー隊は、軍にあってタブー的な存在だった。部隊司令ペールゼン大佐に反感を持つ参謀総長は、隠されたレッドショルダーの秘密を探ろうとする。

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  ペールゼンはレッドショルダー隊の輝かしい戦果をもって、軍内部で大きな権勢を誇っていた。だが部隊の全貌は謎に包まれていた。

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  オドンに転属したキリコは、古参隊員たちに殺されかける。ペールゼンからキリコ監視の密命を受けたリーマン基地司令の差し金だった。

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  ペールゼンは、キリコこそ異能生存体なのだと説こうとし、逆上したキリコに襲われる。たまらずペールゼンは彼を射殺した……はずだったが、数時間後にキリコは仮死状態から蘇生する。

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  レッドショルダー創設の真の目的は、過酷な生存競争を強いることで、遺伝的に生存が約束された、つまり他の個体より生存率が極めて高い個体……異能生存体を探そうというものだった。

異能生存体。その発現確率は250億分の1……。

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  キリコを危険分子だと判断したペールゼンは、サンサの最前線に送りこむ。敵バララントの部隊がキリコに迫る……!

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  混戦の中、キリコが不死ではないと証明しようとするリーマン率いる味方のレッドショルダー部隊も、キリコに襲いかかる。

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  サンサでの戦いは終わった。ペールゼンは戦勝記念パレードに、死んだはずのキリコの姿を見出し愕然とする。

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  いかなる権威・存在にも服従しようとしないキリコ。二人の確執は後々まで続いていくことになるのだった。

レッドショルダー隊は正式にはメルキア軍戦略機甲兵団特殊任務班X-1と呼ばれ、基地の所在や訓練内容は味方にさえも秘密にされた。本作ではTVシリーズやOVAで明らかにされることがなかった非人道的な訓練や過酷な基地環境が描写された。

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  レッドショルダー第１方面軍基地。重要な施設の多くが地下に設置されている。周囲の塔は岩を利用した監視哨である。

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  基地での訓練風景。訓練は兵士たちの自由意志で選ぶことが可能である。ここで命を落とすことも少なくないためだ。

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  惑星サンサの最激戦地。度重なる戦闘が原因で大気組成が破壊されてしまい、酸素ボンベなしでは生存不可能な惑星になってしまう。

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  若きペールゼンが目撃した「奇跡」。この赤ん坊が果たしてキリコなのかどうか、作中では明言されていない。