11月29日(金)より2週間限定上映されることが決定した劇場版『ガンダム Gのレコンギスタ I』「行け!コア・ファイター」。その日本国内最速となった試写会が、8月24日(土)、展覧会「富野由悠季の世界」が催されている福岡市美術館内のミュージアムホールにて行われました。
会場には、いち早く劇場版『ガンダム Gのレコンギスタ』を見ようと、応募総数およそ1,900人の中から抽選で選ばれた約180人が来場。上映後には、ファンからの熱い拍手を受け、富野由悠季総監督と福岡市美術館の山口洋三さんがステージに登壇し、興奮冷めやらぬ熱気の中、トークショーが実施されました。
イベントでは、ファンの方々からたくさんの質問が上がり、富野総監督の言葉に熱心に耳を傾けていました。また、イベントの最後には山口さんから重大発表があると告げられると会場がどよめき、期待の高まる中、劇場版『ガンダム Gのレコンギスタ』の劇場上映開始日が11月29日(金)に決定したことが明らかにされました。このサプライズ発表に会場内には喜びの拍手が沸き起こり、約1時間にわたって行われたトークショーは盛況のうちに幕を閉じました。
■イベント概要
【イベント名】
劇場版『ガンダム Gのレコンギスタ Ⅰ』「行け!コア・ファイター」国内最速試写会&富野由悠季トークイベント
【場所】
福岡市美術館ミュージアムホール
(福岡市中央区大濠公園 1-6)
【登壇者】
富野由悠季、山口洋三(福岡市美術館学芸係長)
【トークショー概要】
山口「今日初めて劇場版を拝見して、TVシリーズと比べて分かりやすくなったという印象を持ちました。新作カットなどで心情や状況の説明が分かりやすくなったと感じましたが、直し方などを伺えますか?」
富野「自分の手だと昔からの富野流に染まってしまっていますので、“児童向け”という言葉を使いますが、そういう風にしておきたかったというのがあります。今の『G-レコ』の中で描かれている問題というのは全部、現在解決ができない問題というものを画にしています。そういうことを考えてもらうためには、これから恐らく150年くらいかかるんじゃないかと思っています。なので、今子供たちにその問題意識を分からせておいて、解決策を考えてもらいたいと思い、子供たちに向けて分かりやすい物語にしておきたかったということで、こういう直しになっています」
山口「今作は一種のおとぎ話のようにされており、監督の子供たちへのメッセージをこういった物語に託して、映画にしてお見せしている。これがいつもおっしゃっている『物語の力』なのかなと思いました」
富野「漫画とかアニメというものは画を使って物語ることができる性能がものすごく高いものだと思っています。ヘイトスピーチを言うのは簡単で、固有名詞を使った瞬間に全部ヘイトスピーチになるんですよ。それを絶対にしないでそういうことを描くということができるのがアニメの持っている性能の高さ。今10歳になるかならないかの子供たちが引っ掛かるような物語を作っておくということがとても大事なことで、アニメだからそれができるのかもしれないということで挑戦しているという意味では、今までのモビルスーツものとは違うものになっているという風には自負しています」
来場者からの質問「劇場版第1部を制作していて楽しかったところはどこか?」
富野「『G-レコ』は全体的に楽しかったんです。キャラクターをこういう設定にしたおかげで、キャラクターっていうのはこういう風にあっけらかんとしているほうが、やはり楽しいなということがあったわけです。ですから、やはり深刻なものはあまり作りたくないなということを改めて感じました。また、その質問を受けていてふと思ったのは、今回の展覧会(「富野由悠季の世界」展)のことがありましたので、パッと思い出したのは『ザブングル』でした。やっぱり楽しかったですよね」