2014年10月3日(金)よりTVシリーズの放送がスタートした『Gのレコンギスタ』が、2024年10月3日(木)で10周年を迎え、本日11月16日(土)に、新宿ピカデリーにて舞台挨拶付き上映イベント「Gのレコンギスタ10周年記念イベント ~これが我々のレコンギスタです!~」を開催いたしました。
舞台挨拶には、嶋村侑(アイーダ役)、寿美菜子(ノレド役)、富野由悠季総監督、吉田健一(キャラクターデザイン)、安田朗(メカニカルデザイン)が登壇の他、主人公ベルリ役の石井マークより10周年をお祝いするお手紙も到着。
およそ9時間半にわたる、劇場版『Gのレコンギスタ』全5部作を鑑賞する熱量の高いファンたちと盛り上がるイベントとなりました。
<以下、イベントレポート>
まずはじめに、劇場版『Gのレコンギスタ』プロデューサーの仲 寿和が登場。満員御礼となった客席に向けて感謝を述べるとともに登壇者を呼び込むと、大きな拍手に迎えられてゲストが入場する。
仲よりメカニカルデザインの安田 朗へ自己紹介を振ると、富野由悠季総監督が「こちらからだろう!」と割り込み、総監督特権として最初に自己紹介。息の合ったスタッフ同士のやりとりで場を和ませた。
今回のイベントが約9時間の長丁場となることから、嶋村 侑は「私たちのトークを休憩時間にしていただいて」と客席を気遣い、寿 美菜子も「ストレッチでもしますか。いーち!にー!さーん!」とノレドを彷彿とさせるような、溌溂とした笑顔で来場者を元気づけた。
ここで、今回の舞台挨拶に参加できなかった主人公ベルリ・ゼナム役の石井マークからのメッセージを、ベルリの姉・アイーダ役の嶋村が代読する。石井からの温かいメッセージにところどころリアクションを挟みつつ読み上げ、最後に「スコード!」と、大きく声を張り上げた。嶋村は事前に石井へ、ここでのスコードの意味を確認したそうで「みんなに幸あれ、という意味を込めている」と返事があったとエピソードを披露し、感動の拍手が沸き起こった。
次に、キャラクターデザインの吉田健一が描き下ろした「10周年記念イラスト」の話題へ。イラストを発注した仲プロデューサーは「キャラクター20人くらいでお願いして、それでも無茶だな」と思っていたそうだが、吉田が上げた絵には70人以上が描かれていたそう。富野総監督も「本当にすごいねぇ。これだけのキャラを描ける人はそうそういませんよ」と感嘆する。安田は、イラストを眺めつつ「これだけの数のキャラを活き活きとまとめられていて、すごいですね。僕だったら(描くのに)3か月くらいかかっちゃいます」と答える。吉田は、線画で3日間、完成までに3週間で仕上げたとのことで、富野総監督も「これがプロの底力なので、イラストレーターになりたいという人は、こういう人をサンプルにして、越えなくちゃいけない」と真剣に語った。
続いて、SNSで実施されていた「地球人はG-レコを見ればいいのだ!」キャンペーンで投稿された、『G-レコ』への熱い思いや作品の解釈を紹介。どの投稿も非常にレベルが高く、富野総監督は「上手に短くまとめていただいていて、お世辞ではなく、ありがとうと言うよりありません」と深く頭を下げた。
投稿の中には、現実と『G-レコ』での経験が繋がっている、というものが複数あり、寿は、自らの海外留学にも照らして、実際に体験してみることの大切さを学ばせてもらった、と振り返る。また、富野総監督は「生活の中で『G-レコ』を通して自覚してくださるというのは、作り手としてとっても嬉しいことで、プライドをいただけたと感じます」と顔をほころばせた。
ベルリとアイーダの関係性に言及するコメントも多かったことについて、寿は“自分がノレドのことばかり考えていたことに気づかされた”と語る。「だからこそ突っ走れたというのもあるのですが、私は私(ノレド)の物語を生きていたんだな」と収録当時を振り返っていた。
最後に、来場者へ各ゲストからメッセージが贈られる。
安田「この間、G-セルフのプラモデルが出たじゃないですか。インターネットで結構いろんな人が騒いでいたんですけど、『10年も経つのにまだ騒ぐんだ!』って。ちょっと自分の考え方が甘かったな、と思わされました。今日ここには、さらに濃い人たちがいるということで、いや本当……ありがとうございました」
吉田「10周年…『G-レコ』の第1話の作業中に老眼になったんですよ。ガンダムが急に見えなくなって。それで、劇場版5部作の間に髪の毛が白くなったんです。真っ白になりました。そういう時間も含めて、皆さんは今日来てくださっているということで、ありがたいなと思います。実は企画スタートからだと18年半(ここで富野総監督が「そうなの?嘘だ!」と割り込むも、諭され「(自分が)よく今日まで生きてこれたな…」とため息をつく一幕も)。本当にありがとうございました」
嶋村「みなさま、少しはお休みになれましたでしょうか?(客席から拍手)良かったです!まだ「10年!」という気持ちではないんですけど、私たちの大切な大切な『Gのレコンギスタ』という作品の10周年に駆けつけてくださって、本当に皆さんありがとうございました」
寿「改めて『G-レコ』10周年、おめでとうございます!あれ?去年もみんなで集まりませんでしたっけ?という気持ちになるくらい、“『Gのレコンギスタ』=ファミリー”みたいな、親戚みたいな、作品から出てくる温かさのおかげで今日お越しくださった皆さんとも温かい関係を繋いでいてくれるのかな、と思うと、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。でも、次は15周年とか…20周年とか…」
富野「きみたち、いい加減にせぇ!(笑)15周年になったら、今83歳の爺ちゃんが、いくつになるか知ってる?って話です。とは言いつつ、こういうことが言えるのは皆さん方がいらっしゃるからです。ありがとうございます。今後とも末永く応援してくれ…とは言いません。僕自身、寿命があります。ですが、作品は残ります。図々しいことを言います。(作品を)後続部隊に伝えるようにしていただけると嬉しいなと思います。今日に限って言えば、長時間、我慢して見てください(笑)」
そして、富野総監督の言葉に客席からは拍手が湧き、終始大盛り上がりとなった舞台挨拶は幕を下ろした。
舞台挨拶付き上映イベント
「Gのレコンギスタ10周年記念イベント ~これが我々のレコンギスタです!~」概要
◆場所:新宿ピカデリー スクリーン3
◆日程:2024年11月16日(土)
09:00~10:34 劇場版『GのレコンギスタⅠ』「行け!コア・ファイター」上映(約94分)
10:44~12:18 劇場版『GのレコンギスタⅡ』「ベルリ 撃進」上映(約94分)
12:28~14:12 劇場版『GのレコンギスタⅢ』「宇宙からの遺産」上映(約104分)
14:17~14:47 舞台挨拶(約30分)
14:57~16:38 劇場版『GのレコンギスタⅣ』「激闘に叫ぶ愛」上映(約101分)
16:48~18:23 劇場版『GのレコンギスタⅤ』「死線を越えて」上映(約95分)
◆登壇者(敬称略): 嶋村侑(アイーダ役)、寿美菜子(ノレド役)、富野由悠季総監督、吉田健一(キャラクターデザイン)、安田朗(メカニカルデザイン)