サンライズワールド

2025.03.31
『機動武闘伝Gガンダム』30周年 今川泰宏総監督インタビュー

この1年間、30周年を記念して様々な新展開や商品が世に誕生した『機動武闘伝Gガンダム』。周年を締めくくるエピソードとして「機動武闘伝Gガンダム外伝 The East is Burning Red」に登場した「ゴッドガンダム弐(セカンド)」もついにMETALBUILDで初の商品化。

商品の監修を務めた今川泰宏総監督に、30周年フィナーレに合わせてインタビューを行った。

「METAL BUILDゴッドガンダム&ゴッドガンダム弐(セカンド)」についてだけではなく、30周年への想い、そして大きな話題となっている外伝ストーリーテキストについてなど、作品についても改めてお聞きしました。

 

■今までにないゴッドガンダム

――METAL BUILD ゴッドガンダム、実物を手にされていかがですか?

今川:かっこいい! 今回、(弐では)コアランダーを新しくしたので、今までにないゴッドガンダムだよね。それこそ背中のデザインが変わりましたから。




▲外伝に登場したゴッドガンダム弐(セカンド)。
METAL BUILDではコアランダーの換装により、通常のゴッドガンダムと弐を再現可能。

 

――弐では監督のアイデアを多数取り入れていますが、どのようなコンセプトだったのでしょうか?

今川:武器を出したかった。僕はカンフー映画の直撃をくらった世代、ブルース・リーの『燃えよドラゴン』が小学校6年生の時でしたからね。ジャッキー・チェンも好きだったけど、一番好きだったのがリー・リンチェイ(現ジェット・リー)の『少林寺』!
 

――少林寺と言えば、中国武術の中心的な存在で、『Gガンダム』的にはサイ・サイシーの出身ですよね。

今川:映画の本筋とは関係なく、みんながいろんな武器で修行しているシーンがとても好きで。それまで図説などでしか見たことのない武器を本当に使っていたのが印象的でした。だからMETAL BUILD ゴッドガンダムの企画が動いて、一番に希望したのが武器を持たせることでした。
 

――今回の武器は中国武術的なイメージが強いんですね。

今川:ちょうど『Gガンダム』が終わった頃、香港の小説家である金庸の武俠小説が翻訳されはじめたんですよね。小説の巻末には武器解説が掲載されているわけですよ。これ、ちょっとした憧れで。台座に武器がいっぱい飾ってある。だから、「武器スタンドも付けようよ」って言っていたくらい。METAL BUILDで多彩な武器を実現できたのは非常に感激ですね。
 

――武器スタンドは今回の仕様には入っていませんが、弐では各武器がコアランダーのウイング部分に収納されています。

今川:これは僕には思いつかなかったギミックで「なるほどな」ってところでした。




▲弐用の新型コアランダー。各ウイングがそれぞれ武器となる。
 

――アニメではゴッドガンダムのみならず、シャイニングガンダム含めて、演出的にコアランダーはけっこう使用頻度の高いメカですよね。

今川:ガンダムらしいギミックとして一応あるけど本編で使わなくても…と言われていたので、ならば「こっちは出すから」と(笑)。普段はコアランダーで移動するようにしたことでできたのが、「ガンダーム!」で地中から出てくるシーン。「お前、どこにいたんだよ」「なぜそこで戦闘になるってわかるんだよ」ってツッコミもあるけど、そこはアニメだよって(笑)。コアランダーもしっかり劇中で使うことで、「商品価値を出しましょう」「魅力を見せないとね」って。特にゴッドになってからはコアランダー自体のデザインもさらに洗練されましたよね。昔、現場で言われたのは「あるものは使え!」。それが弐のコアランダーにも通じているんですよね。
 

――武器に関しては、当時、実現できなかった監督の想いが詰め込まれているんでしょうか?

今川:やはり当時は急ぎ急ぎの進行でそこまで練りこめませんでした。ただ、今回のように武器がいっぱいあったらストーリー上、ちょっと困るなって。もし、武器があったら、演出的には最初は武器で戦うけど、武器では歯が立たず、最後に“フィンガー”で挽回するパターン。それはそれで武器が立たなくなる。結果的にはシャイニングフィンガー、ゴッドフィンガーも強調できなくなる。
 

――外伝では武器についても触れられていましたよね。

今川:本編の設定とリンクさせるために、「でもな、流派東方不敗は基本的に武器を使わないんだ」と無理やりのセリフがね(笑)。だから本編では使っていなかったんだ、と。
 

――外伝第二部「英雄変生」の2話ですね。「使えないって事じゃないんだ、だから一通り習得はするんだけどな」ともドモンが話していました。ある意味、METAL BUILDだから成立した武器セットかもしれないですね。

今川:今回、いくつ武器があるんでしたっけ?
 

--《偃月刀(エンゲツトウ)》《棍(コン)》《三節棍(サンセツコン)》《双節棍(ソウセツコン)》《釵(サイ)》の5種類ですね。

今川:遊べますな。皆さん、好きに使ってくれるんじゃないかなと。本当、ユーザーさんにとってのプレイバリューですね。僕は今回の武器では棍が一番好きです。これで武器を持ったゴッドガンダムは公認になりました(笑)。



▲中段のウイングは棍に変形。棍は組み合わせにより、三節棍、双節棍にもなる。

 

■日の丸を背負って戦おうぜ!

――ゴッドガンダムと言えば、日輪も印象的です。

今川:デザインそのものはいじれないけど、「何か希望はある?」と制作当時に言われ、最初に出した案が「日の丸を背負って戦おうぜ!」って(笑)。やはり後半のガンダムファイトはオリンピック、ワールドカップのイメージで、ゴッドガンダムはネオジャパン代表だから。



▲爆熱ゴッドフィンガー時の日輪エフェクト。
彩色と造形の組み合わせにより、観る角度によって光の変化を演出。

 

――シャイニングガンダムからのパワーアップ、差別化としてもアイコニックですよね。

今川:当時、監督と言えども、メカデザインにOK、NGを出していい立場なのかどうか、それもちょっとわからない時期でした。手順がなかなかわからなかった。当時のイメージで言えば、本当に上から降りてきたものを掴む。それをどうかっこよく見せるかが主題で、シャイニングガンダムに関しては、このデザインをどう使うかに徹していて。ただ、ゴッドガンダムに関しては最初に意見を聞いてもらえました。もっともウイングガンダムが出たときに「しまったー!」と思って(笑)。
 

――「しまった」の理由をお聞きしても?

今川:デビルガンダムも羽があったので、ゴッドガンダムには天使の羽。悪魔と天使の対立図もあったなと思って。ランタオ島で東方先生と決着をつけるシーンでも、天使の羽があったら、左右対称の絵ができてキレイだったよな、とか。ちょっと考えるところもあるけど、今、あらためてMETAL BUILDを見ると日の丸が正解でしたね。悪魔と天使だと同じラインに見えてしまうので。
 

――日輪のエフェクトは現在、カラーを検討中で、クリア成型に3色で塗装するパターンを考えています。

今川:この日輪の円環 は今までの立体で一番かっこいいですね。



▲日輪はクリア支柱で保持。真っ赤に燃えるゴッドフィンガー用のハンドパーツももちろん付属。
 

――別商品などで採用されているPETシートだと、薄くなって本体の情報量とバランスが取れないので、METAL BUILDでは成形品で豪華にしてみました。

今川:これくらい厚みもあるのもいいと思います。やはり日輪はかっこいい! 当時言われたことでよく覚えているのが、ゴッドガンダムの色指定を決めたとき、前垂れのブルーに「待った」が掛かったんですよ。歴代のガンダムは全部白だし、青にすると脚が短く見えるかもしれないから白にしてほしいと言われて。
 

――たしかにゴッドガンダム以降も、基本的にガンダムの前垂れは白ですよね。青にこだわった理由はあるのでしょうか?

今川:青でも全然おかしくないと思ったし、胸あたりの青とのバランスを胴着の様に見せて武闘としての重みを見せるし、また逆に白だとデザイン的に腰から上下に分かれて軽く見えてしまう。。だから、これは当時、自分の意見を曲げないで正解だったなと思っています。



▲ゴッドガンダムの青いフロントアーマーは今川総監督のこだわり。
胸装甲の青から縦のラインが作られている。

 

――前垂れのデザインはシャイニングガンダムに比べると幅が狭くなり、スリットができて、脚を上げやすい、格闘系のポーズが取りやすくなっているイメージがあります。

今川:やはりそれはメカデザインを担当された大河原邦男さんも1話から何話か進行しているのを観て、もっと動きやすいデザインが必要だと感じられたんだろうなと思います。だから僕はゴッドガンダムが非常に好きなんですよ。シャイニングがダメと言ってるわけじゃないんですよ。シャイニングはむしろうまく使いきれなかった心残りがいっぱいあります。その想いに対しての「ごめんね」の気持ちがあって、後期のオープニングではギアナ高地のシャイニングのシーンを残しています。
 


▲ギアナ高地に残されたシャイニングガンダム。腹部にはマスターガンダムの腕が…。


――外伝でもシャイニングガンダムがストーリーのカギになっていましたよね。

今川:シャイニングガンダムにはやはり最後にもう一花咲いてもらわないと(笑)。やはりオープニングのギアナ高地に残されたシャイニングガンダムは、絵的にもすごく好きなんですよ。ゴッドガンダムがシャイニングガンダムを抱っこさせるのもいいですし。いいのか、悪いのか、立体でも再現する方もいらっしゃって。ただ、あれするなら(抱きかかえやすい)小さい商品を作ってあげればいいのに…って思います(笑)。
 

――シャイニングを抱えるシーンは主役メカの交代劇として非常にドラマチックですよね。

今川:みんなあのシーンをかっこいいと言ってくれるんだけど、ただ僕的には「定番だろう」と思っていて。

 

■それはシュピーゲルです

――今後、METALBUILD Gガンダムシリーズが続くとしたら、どんなMFの商品化を希望されますか?

今川:それはシュピーゲルです。外伝でもシュピーゲルへの想いが入っています。シャイニングと同じく、アニメで使いづらかったんですよ。デザイン的にかなりまとまっていたからでしょうね。それと「ゲルマン忍法ってなんだ?」って(笑)。そこを外伝第二部「英雄変生」でお話として成立させたかった。ちょっとネタ明かしになるけど、外伝に登場するガンダム用のサイドカーもぜひ一緒に作ってほしい!  外伝では初期装備として軍服シールド、ロングコートを着ているので、このあたりも再現していただいて。もちろんTAMASHII NATIONS、METAL BUILDとしてアレンジしてもらいつつ、演出的なコンセプトはこういうところよ、を見せてもらいたいですね。外伝の機銃の入った棺桶とか、本当はもっと怖いデザインだったところを。



▲外伝第二部にも登場したシュピーゲル。
軍服シールドをまとった姿や棺桶ガトリングなどが新たに設定された。

 

――ネオドイツのガンダムらしさですね。

今川:本当にサイドカーに乗せてほしいんだけどね。
 

――外伝では戦艦の武器庫に普通に格納されているように書かれていましたが、どんなサイズ感なんですか(笑)?

今川:ガンダム用だからデカいだろうなーって(笑)。でもシャイニングと一緒に乗ったら本当にかっこいいのになって。昔、プラモデルでドイツ軍のサイドカーがあって、あれが大好きだったからそのイメージ。対空砲のプラモにバイクが付いていて、「なんてかっこいいプラモデルだ!」と思っていて、5回くらい作ってるのね。もし、別の外伝があれば、ガンダム用の対空砲みたいなのを出して、シュピーゲルだけでなく、ローズとかみんなで協力して、どうやって1撃を放つかみたいな話を作りたい(笑)。
 

――もし、シャイニングガンダムをMETAL BUILD化するとしたら、いかがですか?

今川:ぜひ外伝で描かれた切腹(未遂)シーンを(笑)。デザイン的に裃の肩衣みたいになっているでしょ? それを取り外し式にしてもらって、ちゃんと小刀も付けてもらって。
 

――かなり立体好きのようですが、当時の商品もけっこう手に取られていたのでしょうか?

今川:当時、バンダイさん側とのキャッチボールをすごくうまく実現してもらえたんですよ。マスターガンダムのデザインを決めるとき、マントシステムをやりたいと言ったら、当初はNGで。ビニールでマントだけでも…とか話していたら、結局、本当にギミックとして実現してくれたんですよね。言ってみるもんだなぁと(笑)。
 

――マントから翼になるギミックはマスターガンダムならではですよね。

今川:いつも言うんですけど、メーカーさんとのキャッチボールはこちらが「こっそり火をつけて投げる」と。それは意味があることなんだなと。今回のMETAL BUILD ゴッドガンダムの武器は、その再来なわけですよ。「武器も足して!」って(笑)。
 

――当時の立体で印象に残っているものはありますか?

今川:ガンプラ「1/60 ゴッドガンダム」ではじめて指が動いたんだよね。5本指を見たときに「すげーっ!」て(笑)。当時、これが理想だって。本編を観て、バンダイさんが再現してくれました。
 

――アメリカをはじめ全世界で発売された完成済みフィギュアシリーズ「MOBILE SUIT IN ACTION!!」も人気でしたよね。

今川:昔、全部見本が届いたんだけど、狭いアパートに住んでるときだし、「置く場所が無い〜!」って、友人に全部あげちゃった……今思えば、もったいないことしたなと。マンダラガンダム、マーメイドガンダムもあったからね。個人的にマンダラガンダム、マーメイドガンダムには執着もってるから(笑)。

 

■こんなのガンダムじゃねぇ!

――当時はどんな想いで作品に関わられたのでしょうか?

今川:僕にとっては苦しみしかなくて、それこそあのころのガンダムファンから刺されるんじゃないかと思ったくらい。ロボットプロレスを否定して…とは言わないけど、それと訣別? した作品が宇宙世紀ガンダムだったわけで。それをガンダムのタイトルでプロレスに戻すことは怖かった。正直、自分が一番「こんなのガンダムじゃねぇ!」って抵抗感があって、そこから抜けるのが辛かったですね。
 

――結果としては、ある意味、その当時のガンダムファンのみならず、子供たちの心も掴んで、まさに宇宙世紀以外のシリーズの先駆けとなるほどの人気作となりましたよね。

今川:まあ、子供がちゃんと観てくれたのは意外でしたね。抵抗感から抜ける準備となったのは第10話「恐怖! 亡霊ファイター出現」のファラオガンダムの話。完全に子供向けにしていて、そのあと東方先生が出て火が付いたっていう(笑)。
 

――新宿編での東方不敗の登場は作品のターニングポイントでしたよね。

今川:当初、作品として「敵がいない」と言われていていましたから。絶対悪に対する主人公の力の向きどころが無く、対立を絵にし辛く苦労しました。さらに序盤に特に苦労したのはマックスター、ドラゴン、ローズ、ボルトの4大ガンダムで。ガンダムファイトのルールとして頭を潰したら勝ちなんだけど、4大ガンダムは商品を売る必要もあるから、頭をつぶせない。人形は顔が命だから。今考えたら、もっといろんな方法論もあっただろうけど、当時は急遽なんとかしないともあって。メインのガンダムを紹介する第2~5話が理屈臭いのはそのせいなんですよ。
 

――オープニングについてお聞きしてもよろしいでしょうか?

今川:いつもオープニングの絵を本編に組み込むのが好きで。で、好きなのは最終回でドモンが妖精になったアレンビーに励まされるところ(笑)。女の子の新キャラクターが登場するので、オープニングに入れとかなきゃってなって。それが最終回でうまく使えました。
 




▲オープニングに登場した妖精アレンビーが最終回に繋がり、ドモンを励ますことに。
ほかにもオープニングの各ファイターのシーンなどが本編でも使用されている。

 

――当初から最終回で使う予定だったわけではなかったのでしょうか?

今川:ないの。これをどっかで使わなければ…っていう背水の陣が好き(笑)。あれはうまくいったなぁ、久しぶりに。
 

――最終回と言えば、キング・オブ・ハートの王様の登場も衝撃的でした。

今川:最後、笑ったからね(笑)。
 

――なぜ王様を具現化しようと思ったのでしょうか?

今川:あれは当時、昔から仲良しの須永(司)ちゃんが絵コンテに描いていてね。
 

――須永さんは「さらば師匠! マスター・アジア、暁に死す」など大事な回で絵コンテを担当されている方ですよね。

今川:でも、この前、当時の絵コンテを見たら、マークの王様は迫ってきたけど、そこから出てきてるわけではなかったんだよね。誰が出てくることにしたんだろう?
 

――30周年のオフィシャルブックには最終回の絵コンテが掲載されています。こちら見て何か思い出すことはありますか?

今川:いろいろ細かく描いてあるけど、「グイっと胸張る」って描き足しているのは僕だね。そうか、僕だ(笑)。当時、どういった打ち合わせしたかは忘れてたな。でも、キング・オブ・ハートの王様をクローズアップしてくれたのは須永ちゃんですよ。





▲最終回を飾った必殺技「石破ラブラブ天驚拳」において、王様も見逃せない存在。
血走った瞳の瞬き、顔へのズームなど、絵コンテにはないこだわりの演出も見どころ。

 

■めんどくさかった(笑)

――あらためて30周年はいかがでしたか?

今川:めんどくさかった(笑)。
 

――もう少し書けることをお願いします(笑)。

今川:みんな(Gガンダムが)好きだねって。あと、やり残したことが、これでちゃんとできたなって。
 

――“やり残したこと”として外伝はどのように作られたのでしょうか?

今川:(外伝の)3本の話を作るとき、とにかく昔の映像を観返さない。記憶と、当時、やれなかったことだけを頭に浮かべて、あとは執念で作る。
 

――観直さない理由は何かあったのでしょうか?

今川:過去のストーリーに捕らわれて、新しいものを書けなくなるから。あの時、「こうは言ってなかったよな」とか、そういう方向に行ってしまうので。実際には1回書いてから、部分的に観直して、セリフを合わせたところもあるんですけどね。僕としては“独狐求敗”を書けたのが幸せでした。
 

――こちらも金庸へのオマージュですね。

今川:金庸を読みだして東方不敗、さらに『神鵰剣俠』で独孤求敗が登場して。「なんてかっこいい名前だ」と。東方不敗が一番だと思っているけど、独孤求敗もたまらんぞー、これはって(笑)。これを使いたかったねーって。
 

――独狐求敗のキャラクターデザインに明確なイメージがありましたか?

今川:モデルは完全に女優のブリジット・リン。ブリジット・リンは『スウォーズマン 女神伝説の章』で東方不敗役をやっているけど、別の映画では独孤求敗役もやっていています。
 

――SNSなどでは早くも外伝の映像化を求める声もよく目にしますが、今後の展開の構想はありますか?

今川:ボイスドラマでのジュニア(CV:渡部優衣)とエイチ(CV:巽悠衣子)が気に入っちゃった。特にエイチの大阪弁はバッチリだったなって(笑)。あの少年少女で話を作れたらとは思いますね。もし、続編を作るとしたら、ジュニアは20歳に成長してる。で、エイチはレインみたいなべっぴんさんになってる(笑)。きっとシャッフル同盟にもそれぞれ子供がいるんですよ。アルゴの子供は絶対に女の子。ジョルジュには、賢い子供がいて、いつも冷ややかで、親子の断絶がある(笑)。あとやり残したことがあるとしたら、「シャッフル同盟ってなんだ?」って。設定としては政治には不介入なので、「じゃあ何してきたの?」って。そこだけは聞かれたくない(笑)。
 

――では最後にファンにメッセージをお願いします。

今川:元気ですよ、死んでません(笑)。あとは…
 

あー楽しかった!


――お元気な姿を拝見できて、一ファンとしてとても嬉しいです(笑)。では、METAL BUILD ゴッドガンダムを楽しみにしているファンへのメッセージはいかがですか?

今川:ユーザーさんには自分の好きな武器作ってよって。やはり武侠小説に出てくるみたいな。今回、エイチと同じくソロバンを持ったゴッドガンダムとか(笑)。いろいろ作ったら面白いんじゃないの? みたいな。実際、チョウ・ユンファの映画『グリーン・デスティニー』でも持ってるんですよ、大きなソロバン。あの辺の映画はいろんな武器が見れて面白いですよ。
 

――ありがとうございました。

 

■今川泰宏 PROFILE

大阪府出身。アニメーション監督、演出家、脚本家。『機動武闘伝Gガンダム』のほか、『ミスター味っ子』『ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日』『真マジンガー 衝撃! Z編』など、数多くの監督作でその名を轟かせる。ド派手かつ熱量のある演出は、今川演出とも呼ばれ、高い人気を誇る。また、監督デビュー前の80年代、数々の富野由悠季監督作品においても絵コンテ、演出を担当。特に『聖戦士ダンバイン』第37話「ハイパー・ジェリル」はまさに今川演出として語り草となっている。

 

■METAL BUILDゴッドガンダム&ゴッドガンダム弐(セカンド)https://tamashiiweb.com/item/15365/

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