特集
SPECIAL
- コラム
【第29回】高橋良輔監督旅行記「飛行機雲に誘われて」
飛行機雲に誘われて……その29
マカオと言ってまず頭に浮かぶのは、そう、やっぱり『カジノ』でしょう。
日本にもカジノが出来るの出来ないのと、議論が囂しいがどのあたりで決着するのだろうか。あたしらの目の玉の黒いうちにこの日本列島でも大っぴらにでチップを投げたり積み上げたりできるのであろうか。お上がバクチの胴元になるのはどうかという議論はあるが、あたしらはこの議論には酒場においても参加しない。なんによらず賭け事は面白くて"依存症"に陥る危険性はある。あたしらもそうとう昔だがそう言われてもしょうがないような時期があった。正直"危なかった"とも思う。しかしまあ今こうしているのだからあたしらにしてなんとかなったのだ。
マカオへ行ったのは3回かな、4回かな、いつも香港に行ったときにちょい寄りをするだけだからかけっこう記憶が薄い。
最初に行ったときは有名な聖ポール天主堂跡と、カジノと金製品ばかり売ってる通りと、活気あるが超汚ったないレストランしか記憶に残っていない。
2度目も同じようなものだったが、これにドッグレースが加わり、レストランが俄然きれいになっていたのが印象に残った。あたしら何かと英国ものが好きなのでドッグレースもやってみたが何となく肌が合わず、おまけにコテパンに負けたせいもありでもういいやってなったが、ドッグレースは今はやっていないらしい。やっぱり動物愛護的ナンタラカンタラから文句が出た、それとも人気がない。まあどっちにしろあたしらにとっては愛着がないのでどうでもよろし。この2回目の時にちょっとした事件が起こった…いやいや起こらなかったのだけどぉ~、と歯切れが悪いが、どういうことかというと。あたしらがカジノでうろうろしていたと思ってくんなまし。あれまいきなり花魁言葉になっちまって。一般的観光客は大体がカジノの種目にそうは慣れがないので最初はスロット辺りをいじってるんですよ。そうすると、まあ少女と言っていいような若い子がメタルをねだるんですな。まあかわいいこですからねっ! 数枚あげます。そうして数十分かな、時間が経つと先ほどのかわいこちゃんがまた現れるんですよ。あれあれまたメタルをねだられるのかなと思っているとこれがそうじゃない。スロットが当たったといって先ほどのメタルに色を付けて返してくれるの!
(なんて義理堅くいいこなんだ!)
と思いますよね。そう思ったとたんに、
「一杯いきますぅ」
と目元が妖しくなり、
「どこにお泊りですかぁ」
とクネっとする、
「いつまでいらっしゃいますかあ」
「カジノはもういいんじゃなぁい」
とこう来るんですよ。まあクラ~かグラ~かは分かりませんが、一般的にそうくる確率は高いんじゃないかな。あたしらは耐震構造強固ですからクラもグラも来ませんが。
んでごく最近ですが、マカオってその昔は魔都とか言われたもんなんですがね、それが今やその片鱗などはなし、どこもかしこも明るくカラフル綺麗でステキ! どうしちゃったんだろう? ってつまりはカジノを中心の観光業が受けに受けちゃって今やあの本場ラスベガスを軽―く抜いて世界一! だからして税収もバンバン、マカオ市民には一人あたり毎年約10万円もの現金給付があるらしい、おまけに教育、医療はタダ! やっぱり日本もカジノ作った方がいいかも。 あたしら賭け事は嫌いじゃないから簡単な『大小』や『ブリッジ』あたりはやるけど、まあなんでもプロっていうのは凄い! どう凄いかというと、例えば3日マカオに滞在、その間カジノに通うとすると2日は勝たしてくれるんですよ。明日は帰るという3日目、どうして分かるんだかかならず巻き上げられてしまう。居る間は楽しませるけど勝っては帰さないよ~、ということなんだよねきっと。ま、いいんですささやかな出費でけっこう楽しませてくれるんですから。
付け足しですが観光は『セドナ広場』がすべての起点と考えれば楽です。ここで買い物し腹を満たしてスイーツ食べて、それで辺りを見渡せば旧市庁舎をはじめとする歴史的建造物がぐるり、ここだけでも十分満足です。街全体を見たければ『モンテの砦』に登れば見晴らし最高! 実はマカオは起伏が豊か脚は鍛えていった方がよろしいですぞ。
メタルをねだる美少女は今でもいるかって? いやあーどうなんだろう、なんか見るからにゴージャスそうな美女は見かけるんだけど、あたしらには一瞥さえもしてくれないからなあ。