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2022.09.15
【第35回】高橋良輔監督旅行記「飛行機雲に誘われて」
飛行機雲に誘われて……その35
中国の中央部中心都市の西安に行ってきた。西安は英語表記では"Xian"現地ではほぼシーアンと発音する。
西安とは何かを一言で言え、と言われたら、何と言ったらいいのだろう。うーん迷う。西安はその昔長安と言った。中国で言うところの"中原"にある。つまりは中国の中心ど真ん中ヘソである。ここは二千数百年にわたり十数の王朝の盛衰を刻んだ土地であり、世界史の中で世界一の繁栄を誇った時代もある。中華思想――中国が一番!――はここから生まれ今に続いている。
えーと話を戻すとシーアンを一言でいうとだった…まあシーアンを一言でなんて言えません、人それぞれでしょう。でもあたしだったら、そうシーアンは、
『シルクロードの起点である』
と言い切りたい。なんせあたしらロマンチストだからね(笑)。シルクロードは西へははるばるローマまで続き、東に千数百キロこぼれれば日本列島に至る。この先は広大な太平洋で行きようがない。つまりシルクロードのどん詰まりが日本の平城京奈良だったのだ。そのあとの平安京、今の京都だが日本の都は長安に倣った。碁盤の目の街区画、シーアンの街中を歩けばさり気なく朱雀大通りなどと馴染んだ文字が読み取れる。ああ確かに日本文化はここからだなあ、と実感する。
シーアンにはなかなか直行便がない。通常は上海でトランジットだ。トランジットと言えばこれ、これです。
シーアンと言えばシルクロードとは言ってみたが今回の目的は『兵馬俑』、あの秦の始皇帝を永劫に守る目的で作られた膨大な地下軍団を見るためだった。
という訳で今回も予告編、次回は兵馬俑をもう少しじっくりご紹介します。